私たちは、「サステナブルをミタニから」を目標に掲げて持続可能な社会活動に取り組んでいます。その取り組みの一つとして行っているのが、自社製品のPOMフリー化です。
POMはどんな材料?
POM(ポリアセタール)はプラスチック素材の一種です。プラスチック素材には熱可塑性と熱硬化性の2種類がありますが、POMは熱可塑性に分類されます。熱可塑性のプラスチックはよくチョコレートに例えられますが、熱を加えると軟らかくなり、冷えると硬くなるという性質を持ちます。この性質によって、加工やリサイクルがしやすいことがPOMのメリットの一つです。
また、POMはエンジニアリングプラスチックに分類されます。エンジニアリングプラスチックは、一般的なプラスチックに比べて強度や耐熱性などが高く、優れた性能を持つ素材です。POMは5大エンジニアリングプラスチックに数えられるほどメジャーな素材であり、優れた耐摩耗性と強度を持ちつつコストパフォーマンスも良いことから、幅広い用途で使われています。
ミタニはなぜPOMフリーに取り組むの?
POMは優れた耐摩耗性と強度を持っており、同じ動作を何度も繰り返しても壊れにくいという特徴があります。この特徴はポンプの材料に適しているため、かつてはミタニ製品にもPOMが使用されていました。
しかし近年、POMに含まれるホルムアルデヒドの有害性が指摘されるようになりました。
ホルムアルデヒドはVOC(揮発性化学物質)の一種で燃やすと鼻を突く匂いを放出し、人の目や鼻を刺激して人体に悪影響を及ぼします。また、ホルムアルデヒドには発がん性の懸念もあることから、規制や注意喚起が行われています。
ミタニでは、全ての方に全てのシーンでミタニの製品を安全にご使用いただきたいと考え、POMフリーへの転換を積極的に進めています。
POMフリーを実現したミタニ製品
ミタニでは、人体や環境に優しい商品設計を目指して自社製品の素材や構造の見直しを行っています。これまでに新製品は もちろん、既存の製品に対してもPOMフリー化を進めてきました。POMフリーによって人体への安全性を確保したミタニ製品の一部をご紹介します。
香水ビン「LUNEX」
香水ビン「LUNEX」は、ガラス瓶とポンプ部分が簡単に分解できる新機構によって分別・廃棄がしやすいリサイクル対応の製品です。ポンプ部品はPOMフリー化を実施しており、人体に優しいPP材へ置き換えた新設計の機構を採用しています。
大型トリガーポンプ「T型シリーズ」
大型トリガーポンプ「T型シリーズ」は、1990年にミタニが開発したロングセラー製品ですが、2021年7月に環境配慮型の製品としてリニューアルを行いました。POMフリー化はもちろん、シリコンオイル不使用や使用するプラスチック量を8%削減したりと、モノづくり企業として可能なことから取組を行っています。
エアゾールバルブ BOV(Bag on Valve)
BOVは噴射剤に窒素ガスを使用し、安全性を高め環境負荷を低減させます。原液と噴射剤の二重構造で構成されているため、原液と金属(バルブや缶)との接触が非常に少く、とても衛生的で化粧品や医療品に利点となります。POM不使用、フタル酸フリーのラバーと環境配慮樹脂を採用しています。
ミタニではPOMフリー化はもちろん、環境配慮型プラスチックの積極的な採用も行っています。