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スプレー塗料の種類を紹介!ラッカーとアクリルの違いや選び方も解説

スプレー塗料って種類が多くて、どれを選べばいいか迷いますよね。実は水性・油性・ラッカー・ウレタン・下地塗料という5つの種類があり、それぞれ得意な分野が違うんです。この記事では、DIY初心者の方でも失敗しない塗料選びのコツや、各種スプレー塗料の特徴をわかりやすくご紹介します。家具のリメイクや金属の塗装など、用途に合った塗料を選んで、思い通りの仕上がりを実現しましょう。

スプレー塗料の基本的な種類と特徴


スプレー塗料には主に5つの種類があり、それぞれ個性的な特徴を持っています。例えば、速乾性を求めるならラッカー、耐久性重視ならウレタンというように、目的によって最適な塗料が変わってきます。

また、塗料同士には相性があり、この組み合わせを間違えると塗装面がしわしわになってしまうことも。まずは各塗料の基本的な特性を理解して、最適な一本を見つけていきましょう。

主要5種類のスプレー塗料の特性

スプレー塗料の5種類(水性・油性・ラッカー・ウレタン・下地塗料)にはそれぞれ個性があります。下の表にまとめたように、水性は臭いが少なく初心者向け、ラッカーは速乾性が魅力、ウレタンは美しい艶と耐熱性が特徴です。

スプレー塗料5種類の比較

水性塗料

特徴:
乾燥前は水拭きで落とせる。
乾燥後は耐水性・耐候性を発揮

適用素材:
鉄部、木部、コンクリート、塩ビ、プラスチック、発泡スチロール

油性塗料(アクリル)

特徴:
耐候性・耐久性が高く、乾燥後は耐水性を持つ

適用素材:
鉄部、木部、コンクリート、塩ビ、プラスチック、発泡スチロール

ラッカー塗料

特徴:
速乾性で硬い塗膜を形成。磨き上げで強い光沢と深みを実現

適用素材:
電気器具、家具、自転車、鉄製品、木製品、機械器具

ウレタン塗料

特徴:
熱に強く、艶のある鏡面仕上げが可能。柔軟で耐久性の高い塗膜

適用素材:
鉄部、木部、コンクリート、塩ビ、プラスチック、発泡スチロール

下地塗料(プライマー)

特徴:
素地への密着力強化、金属の錆止め、上塗りのムラ防止 

適用素材:
鉄部、プラスチック、アルミ、ステンレスなどの下塗り 

各塗料の溶剤の強さは「ラッカー>ウレタン>油性>水性」の順番になっていて、この相性を理解しておくことが失敗しない塗装のコツ。また、仕上がりの質感も選べて、落ち着いた雰囲気のつや消しタイプと、ツルツルピカピカのつや出しタイプがあります。用途や好みに合わせて、最適な一本を選んでください。

各種スプレー塗料の乾燥時間と耐久性

塗装作業で意外と重要なのが乾燥時間。「もう乾いたかな?」と触ってしまって指紋がついた経験、ありませんか?下の表で各塗料の乾燥時間をチェックしてみましょう。

スプレー塗料の乾燥時間比較

水性塗料
油性塗料(アクリル)
ラッカー塗料
ウレタン塗料
下地塗料(プライマー)

※製品により乾燥時間は異なるため、上記は標準的な目安

注目すべきは、ラッカーの圧倒的な速乾性。夏場なら10~20分で表面が乾くので、サクサク作業が進みます。一方、ウレタンは完全乾燥まで約3日かかりますが、その分、硬くて丈夫な塗膜に仕上がります。

耐久性の面では、ウレタンが最も優れていて耐熱性・耐薬品性もバッチリ。油性(アクリル)も耐候性・耐水性が高く、屋外使用に向いています。ラッカーは硬い塗膜で傷がつきにくく、水性は環境に優しいけれど金属への耐久性はやや劣ります。用途に合わせて、乾燥時間と耐久性のバランスを考えて選びましょう。

用途別スプレー塗料の選び方のポイント

「リビングの棚を塗りたい」「庭のフェンスをきれいにしたい」など、塗装する場所によって最適な塗料は変わってきます。屋内で使う家具や雑貨なら、においが少ない水性塗料がおすすめ。窓を開けての換気も最小限で済みますし、小さなお子さんがいるご家庭でも安心です。

一方、屋外のフェンスや物置など雨風にさらされるものには、耐候性の高い油性やウレタンを選びましょう。初心者の方には、まず水性塗料から始めることをおすすめします。

万が一はみ出しても、乾く前なら水拭きで簡単に修正できるのが心強いポイント。慣れてきたら、速乾性のあるアクリル塗料にステップアップすると、作業効率もグンとアップします。

塗料の必要量は「2回塗り」を基本に計算しましょう。ただし、素材によって塗料の吸い込み具合が違うので、購入前に確認することをおすすめします。

実際に使うなら、スプレーに使用されているエアゾールバルブにも注目!

塗料の性能だけでなく、スプレーのバルブやボタンなどの部品も、塗装の仕上がりや使いやすさを大きく左右します。たとえば以下のような仕様は、業務用・DIY用どちらでも高い評価を受けています。

ペイントスプレー
クイックデリバリー対応 バルブ・小型ボタン

valve : G18-1A05-NHG1504MTSY-37xパイプ長R-CSMA
actuator : D18W 0529SPD”3”-B
cap : CV-695-色″3″

これらの部品や仕様についてのご相談・ご依頼は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

ミタニのカタログサイトはこちら

ラッカースプレーとアクリルスプレーの違い


ラッカースプレーとアクリルスプレーの根本的な違いは、成分にニトロセルロースが含まれているかどうかです。缶スプレーの裏面にある品名欄と成分欄を確認することで見分けられます。

ラッカースプレーは硬い塗膜で手触りに粘着感がないため、よく手を触れる場所に適しています。一方、アクリルスプレーは比較的やわらかい塗膜で、用途によって使い分けることが重要です。

成分と塗膜の違いによる使い分け方

スプレー缶の裏面をチェックすると、ラッカーには「ニトロセルロース」という聞き慣れない成分が書いてあります。これがラッカー独特の硬い塗膜を作る正体です。

実際に触ってみると、ラッカーで塗った面はサラサラしていて、物を置いてもくっつきません。一方、アクリルスプレーは「合成樹脂(アクリル)」が主成分で、少しペタペタした感触が残ることがあります。その為、棚板やテーブルなど物を置く場所にはラッカー、装飾的な部分にはアクリルという使い分けがベストです。

溶剤の強さと塗装面への影響

スプレー塗料に含まれる溶剤は種類によって「下地を溶かす力」が異なります。一般的には、ラッカー塗料が最も強い溶剤を使用しており、次いでウレタン、油性、水性の順に穏やかになります。

溶剤が強いほど、下地に塗った塗料を溶かしてしまうリスクが高くなるため、重ね塗りには注意が必要です。特にラッカースプレーは強力なシンナーを含むため、乾燥が不十分な下地や、相性の悪い塗料の上に重ねると「リフティング(ちぢみ・シワ・割れ)」を引き起こす恐れがあります。

重ね塗りする際の塗料の相性と組み合わせ

重ね塗りにおいて失敗しない基本ルールは「強い溶剤→弱い溶剤」の順で塗ることです。 たとえば、水性塗料の上にラッカー塗料を重ねると、強い溶剤が下地を溶かしてリフティングが起こる可能性があります。

実際には、カラーにラッカー塗料を使い、仕上げにウレタンクリヤーを重ねるといった塗装も可能ですが、これは両者の相性と乾燥工程を十分に考慮している場合に限ります。

以下の「相性表」を参考にしながら、塗料の特性に合った安全な重ね塗りを行いましょう。

塗料の重ね塗り相性

塗料の重ね塗り相性 比較表

なお、アクリルスプレーでも溶解力が強い有機溶剤を使用している場合があるため、製品ごとに確認が必要となります。

プラスチックへの塗装時の注意点

プラスチック製品の塗装は、素材と塗料の相性を考えることがとても大切です。同じプラスチックでも、種類によって塗料との相性が変わってくるので、事前の確認が欠かせません。

特に注意が必要なのは発泡スチロール。油性塗料を使うと素材を傷めてしまうため、必ず水性塗料を選びましょう。ただし、発泡スチロールなどの素材は、一般的に溶けてしまうといわれているので、使える素材をあらかじめチェックしておきましょう。

プラスチックへの塗装で最も安心なのは水性塗料です。においも少なく、幅広いプラスチック素材に対応できるのが魅力。また、「プラスチック用」と明記されたスプレー塗料なら、密着性も考慮されているので仕上がりもきれいです。

水性・油性スプレー塗料の見分け方と使い分け


水性塗料は溶剤に水を使用しており、臭いが少なく屋内作業に適しています。油性塗料は耐候性や耐水性に優れ、特殊な色(蛍光色、金、銀など)が豊富です。環境や作業場所によって適切に選び分けることで、より良い仕上がりが期待できます。それぞれの特徴を理解して、用途に応じた使い分けをしていきましょう。

缶スプレーの表示から読み取る塗料種類

スプレー缶の裏面には品名・成分・用途などが記載されており、これらを確認することで塗料の種類を判別できます。ラッカースプレーは品名欄が「ラッカー」、アクリルスプレーは「合成樹脂塗料」と表示されています。

なお、金・銀色のスプレーはニトロセルロースとの相性が悪いため、ラッカースプレーのラインナップに含まれていてもアクリル塗料である場合が多いです。購入前に必ず成分欄を確認し、目的に合った塗料を選びましょう。

素材別の適切なスプレー塗料の選定方法

「この素材には何の塗料を使えばいいの?」という疑問にお答えするため、主要な素材と適合する塗料をまとめました。素材によって相性の良い塗料が違うので、下の表をチェックしてから塗装を始めましょう。

素材別スプレー塗料適合

素材適合する塗料
鉄・鉄部水性塗料、油性塗料、ラッカー塗料、ウレタン塗料、下地塗料(錆止め効果で特に推奨)
木材・木部水性塗料、油性塗料、ラッカー塗料、ウレタン塗料
プラスチック水性塗料(最適)、下地塗料(密着性向上)、ウレタン塗料、油性・ラッカー(素材により可)
発泡スチロール水性塗料のみ(油性・ラッカー・ウレタンは素材を溶かすため使用不可)
ガラス油性塗料、下地塗料(密着性確保に必須)、水性・ラッカー・ウレタン(条件付き)
コンクリート水性塗料(最適)、油性・ラッカー・ウレタン・下地塗料(条件付き)
アルミ下地塗料(必須)+各種塗料、またはアルミ専用スプレー
ステンレス下地塗料(必須)+各種塗料

特に注目したいのは、アルミやステンレスには必ず下地塗料(プライマー)が必要ということ。これらの素材は塗料がのりにくいため、下地処理をしないとせっかくの塗装が剥がれてしまいます。また、鉄製品には錆止め効果のある下地塗料を使うと、美しさが長持ちします。

発泡スチロールは水性塗料一択で、他の塗料は素材を傷めてしまうので要注意。逆に木材や鉄はどの塗料とも相性が良いので、用途や仕上がりの好みで選べます。

スプレー缶の進化が実現する高品質な塗装仕上げ


スプレー塗装の仕上がりは塗料選びだけでなく、エアゾールバルブの性能にも大きく左右されます。優れたバルブは塗料を均一な霧状に噴射し、ムラや液だれを防ぐことで、安定した塗装品質を実現します。最新のエアゾール技術では、可変ノズルによる噴射パターンの調整や、楕円噴射による効率的な塗布など、さまざまな技術革新が進んでいます。

エアゾールバルブの分野では、環境への配慮も重要な要素となっています。国内シェア約55%を持つ三谷バルブでは、POMフリー技術の開発など、環境負荷を低減しながら高品質な塗装仕上げを両立させる取り組みが進められています。

こうした技術革新により、産業用から一般用まで、幅広い分野でエアゾール製品の品質向上と環境配慮の両立が実現されています。持続可能な社会に向けて、エアゾール技術は今後も進化を続けていくことでしょう。

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