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エアゾールバルブ

安全・安心に使用できる不燃性スプレーとは?

エアゾールスプレー製品を使用する際には、火災に気をつけなければなりません。昔からスプレー製品を原因とする火災は数多く発生しており、大きな損害や人命に関わるリスクを抱えています。そこで登場したのが、安全・安心に使用できる「不燃性スプレー」です。今回は、ミタニの製品でも採用されている不燃性スプレーについて解説します。

不燃性スプレーとは


不燃性スプレーは、その名の通り燃えにくい性質を持ったスプレーです。一般的なスプレーとは異なり、不燃性ガスや不燃性オイルを使用することで火災のリスクを抑えています。

東京消防庁が公開しているデータによると、エアゾール缶などに関わる火災や事故は年間で約100件も発生しています。エアゾール缶による火災の原因でもっとも多いのが穴空け・ガス抜き時に漏れ出した可燃性ガスに引火するというもので、取り扱う際は十分に注意しなければなりません。そういった背景から、用途によっては燃えにくい性質を持った不燃性スプレーへの置き換えが求められています。

不燃性スプレーは、家庭や企業における火災対策として幅広く活用されています。ただし、不燃性スプレーだからといって何も注意しなくてよいわけではありません。使用する環境や用途にあった適切な製品を選び、使用上の注意事項を守りながら使用してください。

不燃性ガスとは


エアゾールスプレーは、容器の中に噴射剤と内容液が入っており、ボタンを押すと噴射剤の圧力によって中身が噴出される仕組みとなっています。噴射剤としてよく使用されるのはLPガス(液化石油ガス)やDME(ジメチルエーテル)などの液化ガスですが、これらは可燃性のガスであり、火災を引き起こす原因となっています。

火災のリスクを抑えた不燃性スプレーでは、一般的なLPガスではなく、可燃性が極めて低い不燃性ガスを噴射剤として使用します。具体的には、炭酸ガス(CO2)や窒素ガス(N2)などの圧縮ガスが使用されることが多いです。ただし、圧力を一定に保ちやすい可燃性の液化ガスに比べると製品品質を安定させるのが難しい傾向にあるため、不燃性スプレーの製造には高い技術力が求められます。

エアゾールスプレーの主な噴射剤

不燃性オイルとは


エアゾールスプレーは、潤滑剤・ブレーキクリーナー・ペイントスプレーなどの用途で工業分野でも活用されています。これらの用途では内容液として可燃性のオイルが使用されていることが多いため、取り扱いには注意が必要です。

不燃性スプレーの中には、可燃性が極めて低い不燃性オイルを内容液として使用するものがあります。高温になりやすい機械や装置の潤滑剤として使用する場合には、火災のリスクを抑えられる不燃性オイルを選ぶとよいでしょう。

ミタニの不燃性スプレー対応製品


ミタニでは、お客様が安全・安心して使用できるエアゾールスプレーを提供するために、不燃性スプレー対応製品の開発・生産もしています。

SWAYK

エアゾールバルブのSWAYKでは噴射剤として不燃性の圧縮ガスを採用。工業用潤滑スプレー・ブレーキクリーナー・ペイントスプレーといった工業用途でも安心してご使用いただけます。また、圧縮ガスは液化ガスよりも二酸化炭素の排出量が少ないため、環境にも優しい製品となりました。

上述した通り、エアゾールスプレーの噴射剤としてはLPガスやDMEが一般的であり、ミタニの製品にも多く採用されています。しかし、火元近くや工場などで使用する製品の場合は、圧縮ガスによって火災のリスクを抑えられる不燃性スプレーが最適です。圧縮ガスには良好な霧を得にくいという課題がありますが、ミタニは創業以来培った高い技術力によって、この課題を克服しています。

BOV

BOV(Bag on Valve)は、欧米では一般的な不燃性スプレー製品です。バッグ内は内容物と噴射剤の二重構造となっており、噴射剤には不燃性の窒素ガスを使用しています。熱による引火、火災の心配がないだけでなく、内容物と金属(バルブや缶)との接触が少ないことから、衛生面でも安全なスプレー製品となっています。


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