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水性スプレーとは?ラッカー・アクリルとの違いを初心者向けに解説

失敗しない塗装を実現したいなら、まずは水性スプレーの基本を理解することが重要です。この記事では、水性スプレーの特徴から他の塗料との違い、適切な選び方まで分かりやすく解説します。屋内での作業が多い方や、匂いを気にせず塗装を楽しみたい方にとって参考になる内容となっています。

関連記事:スプレー塗料の種類を紹介!ラッカーとアクリルの違いや選び方も解説

水性スプレーとは?まず知りたい3つの基本の特徴


スプレー塗料の初心者にとって、「水性スプレー」は最も扱いやすい塗料の一つです。アクリルやラッカーと比べて安全性が高く、初めての塗装でも失敗しにくい特徴を持っています。ここでは水性スプレーの最も重要な3つの特徴について詳しく見ていきましょう。

水性スプレーの最大のメリットは、匂いが非常に少ないことです。アクリルやラッカースプレーのツンとしたシンナー臭とは対照的で、換気をすれば室内でも作業できるレベルの穏やかな匂いとなっています。

これは主成分が水であるためで、有機溶剤の含有量が少ないことが理由です。小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使えるのが魅力で、窓を開けた程度の換気で十分作業を進められます。

水性スプレーは主成分が水であるため、有機溶剤を多く含むアクリルやラッカースプレーに比べて引火のリスクが大幅に低く、安全性に優れています。揮発性有機化合物を使用していないため、火気に対する安全性が高いのが特徴です。

ただし、エアゾール製品である以上、完全に引火しないわけではありませんので、火気の近くでの使用は厳禁です。喫煙場所や暖房器具の周辺では使用せず、基本的な安全対策は必ず守りましょう。

水性スプレーの「後片付けの手軽さ」は初心者にとって大きなメリットです。塗装中に手や道具に塗料が付着してしまっても、乾燥前であれば水で簡単に洗い流せます。

筆やローラーなどの道具も水道水で洗浄でき、専用のうすめ液は不要です。これは専用リムーバーが必要なアクリルやラッカースプレーとの大きな違いで、初心者にとってのハードルを格段に下げてくれます。ただし、一度乾燥してしまうと水では落とせなくなるため、作業後はすぐに清掃することが重要です。

【完全比較】水性・アクリル・ラッカー・アクリルの違い


塗料選びで迷わないために、各種スプレーの特徴を詳しく比較してみましょう。以下の表を参考に、それぞれの長所と短所を理解することで、用途に最適な塗料を選択できるようになります。

【水性・アクリル・ラッカースプレーの特性】

項目水性アクリルラッカー
匂い少ない強い非常に強い
乾燥時間やや長い長い非常に速い
後片付け水洗いOK専用リムーバーが必要専用リムーバーが必要
安全性引火しにくい引火しやすい引火しやすい
主な用途屋内の木材、小物、発泡スチロール屋外の鉄部、木部、コンクリート家具、機械器具、速乾性が求められる箇所

水性スプレーは匂いが少なく、火気のリスクも低いため、室内作業に最適です。シンナー臭がほとんどないので、換気扇を回すだけで十分な場合が多く、近隣への迷惑も最小限に抑えられます。

対照的に、油性やラッカースプレーは有機溶剤を含むため、強力な換気が必要で、火気には厳重な注意が求められます。作業場所や周囲の環境を考慮して、安全性を最優先に選択することが大切です。

ラッカースプレーの圧倒的な速乾性は、作業をスピーディに進めたい場合の強い味方です。夏場であれば10~20分で表面が乾燥するため、短時間で重ね塗りができ、1日で作業を完了させることも可能です。

一方、水性スプレーは40~50分、油性スプレーは1時間以上の乾燥時間が必要で、重ね塗りをする際は焦らず十分に時間を置くことが重要です。作業スケジュールに合わせて、乾燥時間を考慮した塗料選択を心がけましょう。

スプレー塗装で初心者が失敗しがちなのが「重ね塗り」のルールです。

溶剤の強さは「ラッカー>アクリル>水性」の順になっており、弱い溶剤の塗膜の上に強い溶剤の塗料を塗ると、下の塗膜が溶けて縮んでしまう「リフティング」という現象が起こります。

これにより塗装面がしわしわになってしまうため、重ね塗りの相性を理解することは非常に重要です。

塗料の重ね塗り相性

塗料の重ね塗り相性 比較表

なお、アクリルスプレーでも溶解力が強い有機溶剤を使用している場合があるため、製品ごとに確認が必要となります。

実際に使うなら、スプレーに使用されているエアゾールバルブにも注目!

塗料の性能だけでなく、スプレーのバルブやボタンなどの部品も、塗装の仕上がりや使いやすさを大きく左右します。たとえば以下のような仕様は、業務用・DIY用どちらでも高い評価を受けています。

ペイントスプレー
クイックデリバリー対応 バルブ・小型ボタン

valve : G18-1A05-NHG1504MTSY-37xパイプ長R-CSMA
actuator : D18W 0529SPD”3”-B
cap : CV-695-色″3″

これらの部品や仕様についてのご相談・ご依頼は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

ミタニのカタログサイトはこちら

用途と素材で決める!水性スプレーの選び方


これまでの比較を踏まえて、実際に水性スプレーを選ぶ際の具体的なポイントを解説します。どのような用途や素材に水性スプレーが適しているかを理解することで、失敗のない塗装を実現できるでしょう。特に初心者の方は、水性スプレーの得意分野を把握してから作業を始めることをおすすめします。

水性スプレーを選ぶ前に、必ず以下の表で対象素材との相性を確認しましょう。適切な素材選択が、美しい仕上がりへの第一歩となります。

屋内の木製家具、雑貨

プラスチック製品
(特に溶剤に弱いもの)

発泡スチロール

匂いを気にする場所での塗装

常に雨風にさらされる屋外の鉄製品

自動車やバイクなどの
高い耐久性が求められるもの

ツルツルした素材
(アルミ、ステンレスなど ※下地処理が必要)

上記の表を参考に、塗装対象が「得意なモノ」に該当するかを必ずチェックしてから作業を始めてください。特に発泡スチロールについては、水性スプレー以外の塗料では素材を溶かしてしまうため、必ず水性を選択する必要があります。

水性スプレーを使って美しい仕上がりを得るための基本手順をご紹介します。

ステップ1:準備(塗装面の汚れ落とし、マスキング)

塗装する面の汚れやほこりを丁寧に除去し、塗装しない部分をマスキングテープで保護します。初心者がやりがちな失敗は、汚れた面にそのまま塗装することです。下地処理を怠ると密着性が悪くなり、後日剥がれの原因となります。

ステップ2:塗装(薄く、均一に、重ね塗り)

20~30cm離れた位置から、薄く均一に塗布します。一度に厚塗りしようとすると液だれの原因となるため、複数回に分けて重ね塗りすることがポイントです。各層の乾燥をしっかり待つことで、美しい仕上がりが得られます。

ステップ3:乾燥(焦らず十分に時間を置く)

水性スプレーは乾燥に時間がかかるため、焦りは禁物です。表面が乾いたように見えても内部は乾燥していない場合があるので、メーカー指定の乾燥時間を守りましょう。完全乾燥前に触ったり重いものを置いたりすると、せっかくの仕上がりが台無しになってしまいます。

三谷バルブの技術力は美しい塗装を支えています


水性スプレーをはじめとするスプレー塗料の品質には、実は見えないところでエアゾール技術が大きく関わっています。匂いが少なく安全性の高い水性スプレーが、家庭での使用から産業分野まで幅広く活用されている背景には、高度なエアゾール技術があるのです。

エアゾールバルブの専門メーカーである三谷バルブでは、均一な噴射性能と安定した品質を実現するバルブ技術を提供しています。国内シェア約55%を誇る技術力により、美しい塗装仕上がりをサポートし、個人利用から工業用途まで様々な分野での塗装品質向上に貢献しています。

優れたエアゾール技術があってこそ、誰でも失敗の少ない塗装を実現することができるのです。

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