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LPガスの災害時の利点とは?

日本では、地震や台風などの様々な災害に直面することがあります。そんな中、災害への備えとして注目されているエネルギーが「LPガス」です。LPガスとは「Liquefied Petroleum Gas」の略で、日本語では「液体石油ガス」と訳されます。LPガスはプロパンとブタンの2種類があることから、家庭用LPガスの別称「プロパンガス」の名前でも知られています。今回は、LPガスの持つ災害への強さを解説します。

災害発生時は電気、ガス、水道といったライフラインが寸断される可能性が高い一方で、LPガスは災害に強さを発揮する特性を持っています。 

個々の供給による分散型エネルギー 

LPガスは都市ガスと異なり、各家庭や施設に設置したボンベから供給されます。これにより、供給元が被災しても供給が止まりません。災害発生後も、個々の調査や復旧作業が不要なため、迅速な復旧が可能です。

経済産業省自然エネルギー庁によると、東日本大震災では、LPガスが他のライフラインが停止した中でも利用可能であり、都市ガスよりも12日早く、電気よりも58日早く全面復旧したというデータもあります。

参照:実は災害に強いLPガス | 愛知県LPガス協会 (aichilpg.or.jp)

可搬性が高い 

都市ガスの原料であるメタンは液状になる「液化温度」が-162 ℃と超低温であるのに対して、プロパンは-42℃、ブタンは-0.5℃です。容易に液化するため、LPガスはガスボンベに充填し持ち運びができます。 

災害時は、ボンベに充填したLPガスを避難所や仮設住宅などへ持ち運び、使用が可能です。電気や都市ガスなどが使えない災害時でも、炊き出しや入浴施設、給湯などのエネルギー源としてLPガスが活用されています。 

災害時にLPガスを迅速かつ安全に供給できる「災害対応型LPガスバルク供給システム」をはじめ、発電機や炊き出しセットといった災害での使用を前提としたLPガス機器も多く誕生しています。 

高い可搬性を活かして、LPガスは山間部やへき地といったガス導管が届かない場所にも供給できます。南極探検隊の基地のエネルギーにも、LPガスが採用されています。 

参照:日本LPガス協会(Japan LP Gas Association):LPガスの特長 (j-lpgas.gr.jp)

備蓄製の高さ 

LPガスの持つ備蓄性の高さも、災害への強さを発揮する要素のひとつです。自家発電機用の燃料には重油や軽油がありますが、重油は3カ月、軽油は半年で劣化がはじまるため長期保存には向きません。LPガスは品質の劣化や機材の腐食といったリスクがないため、災害時の備蓄品としての長期保存も可能です。 

家庭用LPガスはボンベが2本セットで供給されますが、使用するのは1本のみで1本は予備です。2本セットでボンベを設置し軒下在庫を持つことで、ガス切れを起こさない工夫をしています。万が一災害が発生した場合も、予備のボンベからガスを供給可能です。 

参照:災害に強い分散型エネルギー、LPガスの利活用|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

幅広いシーンで活躍するLPガス

LPガスは幅広いシーンで活躍しています。家庭用や産業用、さらには農業やキャンプなど様々な場面で利用されています。家庭では暖房や給湯、調理などに使用され、産業では製造プロセスや建設現場などでエネルギー源として必要不可欠です。農業では温室や乾燥機に利用され、キャンプではコンパクトで使いやすい燃料として使用されています。その利便性や安全性から、幅広いシーンでLPガスが活躍しています。しかし、LPガスは可燃性ガスでもあるため、不適切な取り扱いをすると火災が発生する危険性もあります。火災のリスクを防ぐためにも安全な取り扱いが必要となります。

様々な用途で活躍するLPガス。このLPガスは、環境にやさしいクリーンエネルギーとして注目されています。

LPガスとエアゾール製品

LPガスを利用するエアゾール製品は、その利便性と使いやすさが際立っています。LPガスはエアゾール製品の圧力源として活用され、均一な分散や長期保存が可能となります。LPガスを使ったエアゾール製品は広範囲にわたる分野で利用され、現代社会における欠かせない存在となっています。

LPガスに対応できるエアゾール製品の開発は、ミタニの長年にわたる専門分野です。70年にわたる継続的な取り組みと研究により、私たちはLPガスを安全かつ効果的に使用するための革新的な製品を開発し続けてきました。技術革新と品質向上に取り組みながらミタニの70年にわたる経験と専門知識を活かし、さらなる成長と進化を目指して努力を重ねていきます。


ミタニでは噴射剤にLPガスやDME(ジメチルエーテル)などの液化ガスに代わり、不燃性ガスや不燃性オイルを使用することで火災のリスクを防ぐ「不燃性スプレー」に対応した製品の開発も行っています。

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