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アクリルスプレーとは?ラッカースプレーとの違いや塗料の用途別選び方を解説 

様々な塗装作業でよく使われるスプレー塗料には、アクリルスプレーとラッカースプレーがあります。この記事では、両者の成分や特徴の違い、素材別の適切な選び方を分かりやすく解説します。塗装初心者から経験者まで、失敗しない塗料選びのポイントを身につけることができます。

関連記事:スプレー塗料の種類を紹介!ラッカーとアクリルの違いや選び方も解説

アクリルスプレーとラッカースプレーの基本的な違いと見分け方


アクリルスプレーとは、合成樹脂(アクリル)を主成分とするスプレー塗料のことで、比較的やわらかい塗膜を形成するのが特徴です。一方、ラッカースプレーとの一番の違いは、使われている成分にあります。

この成分の違いが、塗装の仕上がりや使える場所を大きく変えてしまいます。正しく見分けることができれば、塗装作業での失敗を防ぐことができるでしょう。

成分の違いで変わる塗膜の特性

アクリルスプレーは合成樹脂(アクリル)、ラッカースプレーはニトロセルロースという成分が主役になっています。見分け方は簡単で、スプレー缶の裏面を確認するだけです。

ラッカースプレーの場合、品名欄に「ラッカー」と書かれ、成分欄に「ニトロセルロース」と記載されています。アクリルスプレーは品名欄が「合成樹脂塗料」、成分欄に「合成樹脂(アクリル)」と表示され、ニトロセルロースは入っていません。

この成分の違いが、塗膜の特性にも影響します。ラッカーで塗ると硬くて傷がつきにくい仕上がりになり、触ってもベタつきません。物を置いてもくっつかないので実用的です。

一方、アクリルは比較的やわらかく、少し粘着感のある仕上がりになります。棚板などに塗った場合、上に置いた物がくっついてしまったり、手で触るとわずかにひっつく感じがしたりすることがあります。

用途に応じた使い分けのポイント

普段よく手で触る場所や、物を置く場所にはラッカースプレーがおすすめです。硬い塗膜で傷がつきにくく、ベタつかないので、家具や棚板など毎日使う物には最適な選択といえます。

一方で、アクリルスプレーの粘着感は、使う場所によってはマイナスになることもあります。上に物を置くとくっついてしまったり、触るとべたつく感じがしたりするためです。

面白いことに、金色や銀色のスプレーは少し特殊です。実は、ニトロセルロースと金銀の顔料は相性が悪いため、ラッカースプレーのシリーズに入っていても、こっそりアクリル塗料になっていることが多いのです。缶の成分表示に「(金・銀を除く)」と書かれているのは、こうした理由があります。

スプレー塗料の種類別特徴と選び方


スプレー塗料は水性と油性に分かれており、それぞれに得意な場面があります。また、素材によっては使えない塗料もあり、特にプラスチックや発泡スチロールには注意が必要です。正しい塗料を選ぶことが、きれいな仕上がりへの第一歩になります。

水性・油性の違いと適切な使用場面

水性アクリルスプレーは臭いが少ないので室内での作業に向いており、油性は丈夫で長持ちするので屋外での使用に適しています。水性は環境にもやさしく、いろいろな素材に使えて、乾燥時間は40~50分程度です。油性は雨風に強く水にも強いのですが、乾燥には1時間以上かかります。

使う場所と、どれくらい長持ちさせたいかで選び分けるのがポイントです。室内の家具を塗るなら水性アクリルスプレー、屋外の鉄製品を塗るなら油性アクリルスプレーを選ぶとよいでしょう。

乾燥時間も作業計画を立てる上で大切な要素です。季節によっても変わるので、参考にしてください。

水性・油性の乾燥時間比較

水性アクリルスプレー
油性アクリルスプレー

さらに詳しい比較

アクリルスプレー以外の塗料も含めた特徴や使い分けについては、こちらの記事で詳しく解説しています

プラスチックや特殊素材への塗装の注意点

ラッカースプレーや油性塗料を使う時は、プラスチックや発泡スチロールに要注意です。これらの塗料に含まれる溶剤が強すぎて、素材を溶かしてしまう可能性があります。特に発泡スチロールには、水性塗料しか使えません。

プラスチック製品を塗る時は、水性アクリルスプレーか、プラスチック専用の塗料を選びましょう。素材を傷めることなく、しっかりと密着してくれます。

アルミやステンレスなどの金属には、下地塗料(プライマー)が必要です。下地処理をしないと、せっかく塗った塗料が剥がれやすくなってしまいます。素材に合った塗料を選ぶことが、長持ちする塗装のコツです。

重ね塗りの相性と塗装品質を高める組み合わせ

重ね塗りをする時は、「リフティング現象」に注意が必要です。これは下の塗料がしわしわになって浮き上がる現象で、油性塗料の上にラッカースプレーを塗った時などに起こります。

塗料には溶剤の強さに順序があり、ラッカー>ウレタン>油性>水性の順番になっています。基本的には、強い溶剤から弱い溶剤の順番で重ね塗りするのがルールです。

塗料の重ね塗り相性 比較表

きれいに仕上げるためには、塗料選びだけでなく、スプレー缶の噴射技術も大切です。カラー塗装の上にウレタンクリアコートを重ねるなど、相性の良い組み合わせを選ぶことで、プロのような美しい仕上がりを目指せます。

実際に使うなら、スプレーに使用されているエアゾールバルブにも注目!

塗料の性能だけでなく、スプレーのバルブやボタンなどの部品も、塗装の仕上がりや使いやすさを大きく左右します。たとえば以下のような仕様は、業務用・DIY用どちらでも高い評価を受けています。

ペイントスプレー
クイックデリバリー対応 バルブ・小型ボタン

valve : G18-1A05-NHG1504MTSY-37xパイプ長R-CSMA
actuator : D18W 0529SPD”3”-B
cap : CV-695-色″3″

これらの部品や仕様についてのご相談・ご依頼は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

ミタニのカタログサイトはこちら

環境配慮型エアゾール技術が実現する高品質な塗装仕上げ


三谷バルブのエアゾールバルブは、その技術により均一できれいな噴射ができ、安定した塗料の吐出でプロ並みの美しい塗装仕上げが可能になっています。1956年の創業以来、日本で初めてエアゾールバルブを開発し、安くて品質の良い製品を世に送り出してきました。

POMフリー・シリコンフリー技術などの環境に配慮した設計により、有害な揮発性物質(VOC)を抑えながらも、高品質な塗装を実現しています。企画から販売まで一貫した生産体制で、使いやすさ・便利さ・安全性の全てにおいて最高水準を目指し続けています。

太陽光発電を導入した工場での生産や、再生可能エネルギーの活用により、環境への負荷を減らしながら安定した供給を続けています。未来のニーズを見据えた製品作りを進め、100年後の社会でも活躍できるモノづくり企業として歩み続けているのです。

製品の詳細については、こちらの製品紹介ページをご確認ください。

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