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3F Voice 08 |「香りのカプセル」を、すべての人へ。スプレーフードでひらく“嚥下(えんげ)食”の未来 藤田承紀シェフ

Interview Date : March15, 2026
「Yoshiki Fujita」藤田承紀シェフ

Introduction


ミタニが開発する「スプレーフード」の可能性を深掘りする連載企画「3F Voice」。
今回は、自らハーブや野菜を育てながら、福祉と食をつなぐ活動に尽力する「菜園料理家」の藤田承紀(ふじた よしき)さんを取材しました。

元プロダンサーという異色の経歴を持つ藤田シェフが追求するのは、「困っている人を幸せにする料理」です。彼がミタニのスプレーフードと出会ったとき、咀嚼(そしゃく)に困難を抱える方々の食の可能性を広げる、新たな光が見えてきました。

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「こんなスプレーを作りたい」というアイデアも大歓迎です。お気軽にご相談ください。

笑顔が弾けたカフェでの試食会


千葉県にある障がい者就労移行支援事業所「カフェさんびお」にて、一つの試食会が行われました。お招きしたのは、日頃から食事に支援を必要とする子どもたちとそのご家族です。

ここで提供されたのは、藤田シェフがスプレーフードの特性を活かして考案した特別なメニュー。会場には、香り豊かな料理を前にした子どもたちの喜びの笑顔がありました。

スプレーフードのひと吹きが、いかにして子どもたちの「食欲のスイッチ」を入れたのか。食の未来を切りひらく、希望に満ちた挑戦を追います。

挫折の先に見つけた、福祉と食への道


藤田シェフの歩みは、プロダンサーとしての華やかなステージから始まりました。しかし、25歳での大怪我によりその道は突如として絶たれます。失意の中、リハビリのために訪れたイタリアで、自身の身体を再生させてくれた『食』の力に魅了され、料理の道へ進むことを決意しました。

トスカーナの「IL PELLICANO」やローマの「AL CEPPO」といった名店で伝統料理を学び、イタリア各地の食文化への造詣を深めた彼は、帰国後「自分の口に入るものを、納得して理解したい」との想いから農業を始めます。

転機は、耕していた畑のそばにできた福祉施設との出会いでした。「レストランを作るのを手伝ってほしいと言ってくださって。まずは僕の作る料理を食べてもらいたいと、月1回森の中でランチ会を始めました」。そこで提供したのは、カルボナーラやミネストローネといった誰もが知る王道のイタリアン。しかし、その反応は藤田シェフの想像を遥かに超えるものでした。「『こんな美味しいもの初めて食べた』と言って、涙を流してくれた子がいたんです」。

その姿を目の当たりしたとき、シェフの心は決まります。「料理人として僕が幸せになれるのは、圧倒的にこちらの道だ」。自身も生まれつき左耳の難聴があり、20歳までてんかんの治療を続けていた背景を持つ藤田シェフ。障がいを「自分らしさの一部(ギフト)」と捉える彼にとって、この出会いは、福祉と食をつなぐというライフワークの原点となりました。

咀嚼(そしゃく)のいらない「香りのカプセル」が嚥下(えんげ)食を変える


自らハーブを栽培する藤田シェフにとって、香りだけ抽出されたオイルをスプレーで使うことには懐疑的でした。「料理にバジルを添えればいいし、レストランなら自分でハーブオイルを作ればいい」という自負があったからです。

しかし、実際にスプレーオイルを試すことで評価が一変します。その背景には、1年前に自身が立ち上げに携わった盛岡のカフェでの光景がありました。

「摂食に不自由がある方たちが、ミキサーを持参して、僕の作った料理を目の前で攪拌(かくはん)して召し上がっていたんです。スプレーオイルは咀嚼(そしゃく)する必要がなく、口の中で香りが広がる。嚥下(えんげ)食のコースを作ったら、むちゃくちゃ使えるのではないかと思いました。」

僕は当初、嚥下(えんげ)障害のある方のお料理は特別に配慮して作るものだと思っていました。けれど実際には、「みなさんと同じ料理でも、形状さえ変えられれば大丈夫ですよ」と伺って。それなら自分の料理も生かせると思いました。

ハーブを噛むことで細胞が壊れ、香りが一気に広がる体験をシェフは「香りのカプセルが弾ける」と表現します。安全のために攪拌(かくはん)されることで、失われがちな本来の料理の香り。スプレーフードは、噛む工程を介さず、鼻に抜ける香りの体験をダイレクトに提供する、いわば食のインフラとなるのです。

本場イタリアの味を届ける、三つの提案


今回藤田シェフが提案したのは、スプレーフードの香りと食感を緻密に計算した三品の嚥下(えんげ)食メニューです。

苺とゆり根のムース × 橘(たちばな)オイル

藤田シェフが得意とする“ゆり根とオレンジのサラダ”の組み合わせをスプレーで再現した、希少な橘の香りが爽やかな一品。

鶏肉とカリフラワーの煮込み × エルブ・ド・プロヴァンスオイル

ハーブの香りが煮込み全体に奥行きを与えるメインディッシュ。

ニョッキのトマトソース × バジルオイル

王道の組み合わせを、鮮烈な香りで再現。「既製品のモチモチ感とは異なり、本場イタリアで学んだのは『雪のように溶ける』ニョッキ。
これなら嚥下(えんげ)に不安がある方でも食べられます」

ここでシェフは、スプレーを単に表面にかけるのではなく、調味料として混ぜ込むというテクニックを披露しました。「ピューレやマッシュしたものに混ぜ込むと、オイルがいい塩梅に水分量を調節してくれて、新たな『料理』としてちゃんと昇華してくれる。これが正解でした」。

懸念していたオイルの酸化や香りの劣化ついても、「全然なくて。これは使えるなというのが率直な感想です」と、ミタニのBOV(バッグオンバルブ)技術による鮮度保持能力も、プロの視点から高く評価されました。

レトロネーザル・アロマによる「食欲のスイッチ」


「スプレーは液体なので、口の中で滑らかに混ざり合って鼻に抜けていく。かけないで食べたものと比べても、めちゃくちゃ美味しいです。煮込み料理の時にローリエを入れたような全体への広がりとも、ハーブをちぎって乗せただけの香りとも違う。独特な香りを構成してくれる要素だと思いました」。

今回の試食会に参加したご家族からも、驚きの声が上がりました。「完食ですよ。スプレーのおかげで香りが豊か。食べさせる前に匂いを嗅がせると『美味しそう!』という顔をして、もう口の開きが早いんです」。

咀嚼(そしゃく)ができないことで、食べ物の正体があいまいになりがちな嚥下(えんげ)食において、鮮烈な香りは「今から美味しいものがやってくる」という信号を脳に送ります。さらに口に含んだ瞬間に鼻へ抜ける香り(レトロネーザル・アロマ)が美味しさを確信させ、身体が能動的に「食べたい」と反応します。スプレーのひと吹きが、受け身だった食事を主体的な楽しみへと変える「食欲のスイッチ」となったのです。

困っている人を幸せにする、テクノロジーの使い方


「食べたことがない味に出会ったときや、困っていたけれど『あ、こんな正解があるんだ!』という感動を共有できるのが本当にうれしい」と語る藤田シェフ。

「ただ食べられる、ただ美味しいということだけではなく、何か困っている人を幸せにできるような料理をこれからも作り続けていきたいと、今日も強く思いました」

3F Voiceが掲げる「Food(食)」「Future(未来)」「Freedom(自由)」。テクノロジーが「香り」という感性を運ぶことで、誰もが自分らしくあれる食卓が、すぐそこまで来ています。

菜園料理家 藤田 承紀(ふじた よしき)さん

食×福祉のプロデューサー、NPO法人BALLOON 副理事長

元プロダンサー。怪我からの回復過程で「食」の重要性を実感し、イタリアでの修行を経て料理家へ。
自身の難聴やてんかんの経験を背景に、現在は福祉施設のメニュー監修など「食・福祉・農」をつなぐ活動を多岐にわたって続けている。
米国大使館の菜園管理人や、環境省アンバサダーとしての活動のほか、羽生結弦氏関連の撮影、ELLE や GUCCI等でのケータリングも手がける。
https://fujitayoshiki.com

≪ご協力≫
一般社団法人mogmog engine(モグモグエンジン)
「食事支援を、もっとおいしく、もっとたのしく」を掲げ、摂食嚥下(えんげ)障害など食事支援が必要な子どもを持つ親たちが中心となって設立。情報共有コミュニティ「スナック都ろ美(とろみ)」の運営や企業とのコラボを通じ、誰もが気楽に食を楽しむインクルーシブな社会の実現を目指している。
スナック都ろ美HP:https://snack-toromi.com/

≪試食会場≫
カフェさんびお(CAFE SYMBIOSE)
千葉市若葉区加曽利町1751-1 障がい者の一般就労を目指す訓練の場としてのカフェ。デザイナー設計による中庭のある開放的な店内で、本格的なこだわりのメニューを提供しており、藤田シェフがメニュー監修や調理指導に携わっていた。
https://www.instagram.com/cafe_symbiose/


3F Voice
「食(Food)」「未来(Future)」「自由(Freedom)」

新しい食品容器の選択は新しい価値を生み出す
新しいアイデアや技術を生み出し、よりよい未来を切り開いていく

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