スプレー塗料選びで迷っていませんか?本記事では、ウレタンスプレーの特徴から正しい使い方、アクリルやラッカーとの違いまでを徹底解説します。塗装の初心者から上級者まで、耐久性と美しい仕上がりを求める方に役立つ情報をお届けします。
ウレタンスプレーとは?

ウレタンスプレーは、「ウレタン樹脂」を主成分とする塗料です。正確には「ポリウレタン樹脂塗料」とも呼ばれ、優れた耐久性と美しい仕上がりで多くのDIY愛好家に愛用されています。
ウレタンスプレーには、手軽に使える「1液性」と、プロ仕様の「2液性」があります。特に2液性は硬化剤との化学反応により、圧倒的に強固な塗膜を形成するのが特徴です。硬化剤を添加することで、通常の塗料では得られない密着性と耐久性を実現し、より本格的な仕上がりが期待できます。
ウレタンスプレーの5つの特徴【メリット・デメリット】

ウレタンスプレーが持つ具体的な特徴を、メリットとデメリットに分けて詳しく解説します。これらの特性を理解することで、ご自身の用途に合うかどうかを判断できるでしょう。
メリット1:圧倒的な耐久性と密着性
ウレタン塗料の最大の魅力は、柔らかく弾力性に富んだ塗膜にあります。この特性により、素材の収縮や膨張に追従し、ひび割れが発生しにくくなっています。化学反応によって形成される塗膜は非常に強固で、衝撃や摩擦にも優れた耐性を発揮するのです。
そのため、テーブルの天板や椅子の座面など、日常的に物が触れる場所の塗装に最適です。手で触れる機会が多い家具や、物を置く頻度の高い表面でも、美しさと機能性を長期間維持できます。
メリット2:高い耐候性で屋外使用に最適
ウレタン塗料は紫外線や雨風による劣化に強い「耐候性」を誇ります。この特性により、屋外での厳しい環境下でも塗膜の劣化を最小限に抑えることができるため、外壁やウッドデッキ、自動車のパーツなどの屋外塗装でプロに選ばれています。
一般的な塗料の耐用年数を比較すると、アクリル塗料が3〜6年であるのに対し、ウレタン塗料は7〜10年の耐久性です。この長期耐久性により、メンテナンスの頻度を大幅に削減できる点も大きな魅力といえるでしょう。
メリット3:光沢のある美しい仕上がり
ウレタンスプレーは肉厚で光沢(ツヤ)のある塗膜を形成できるのが特徴です。この美しい光沢により、高級感のある仕上がりを実現できます。
そのため、家具や模型、バイクのタンクなど、見た目の美しさが重要視される物の塗装に多く使用されています。鏡面のような美しいツヤは、塗装対象物を格段に魅力的に見せる効果があります。
デメリット1:価格が比較的高価
ウレタンスプレーは肉厚で光沢(ツヤ)のある塗膜を形成できるのが特徴です。この美しい光沢により、高級感のある仕上がりを実現できます。
そのため、家具や模型、バイクのタンクなど、見た目の美しさが重要視される物の塗装に多く使用されています。鏡面のような美しいツヤは、塗装対象物を格段に魅力的に見せる効果があります。
デメリット2:取り扱いに注意が必要(特に2液性)
2液性ウレタンスプレーの場合、一度硬化剤を混ぜると「ポットライフ」と呼ばれる使用可能時間内に使い切る必要があり、保存がきかない点に注意が必要です。混合後は時間との勝負になるため、計画的な作業が求められます。
また、塗装時にはマスクや手袋の着用が必須であり、十分な換気を行う必要があります。特に硬化剤に含まれるイソシアネートには毒性があるため、安全対策を怠ってはいけません。
DIYでよく使われる他のスプレー塗料との違い

ウレタンスプレーの特徴をご理解いただいた上で、DIYでよく比較されるアクリルスプレーとラッカースプレーの特徴も見ていきましょう。それぞれの違いを知ることで、あなたの目的に最適な塗料が選べるようになります。
アクリルスプレーの特徴と主な用途
アクリルスプレーの最大の特徴は「価格の安さ」と「乾燥の速さ」による手軽さです。初心者でも扱いやすく、失敗してもやり直しがしやすいため、DIY入門には最適な塗料といえます。
ただし、耐久性や耐候性はウレタンに劣るため、屋外での長期使用よりは屋内の小物や雑貨の塗装に向いています。具体例として、カラーボックスの色変えや雑貨のリメイクなど、比較的軽い用途での使用がおすすめです。
ラッカースプレーの特徴と主な用途
ラッカースプレーの最大の特徴は「乾燥が圧倒的に速い」ことと、「塗膜が硬い」ことです。夏場であれば10〜20分程度で表面乾燥するため、作業効率を重視する場面で重宝されます。
この特性から、作業性を重視する場面や、磨き上げて光沢を出したい模型(プラモデル)の塗装などで多用されています。一方で、塗膜が硬いがゆえに衝撃で割れやすく、耐候性が低いため屋外には不向きという弱点も持っています。
初心者でも簡単!ウレタンスプレーの正しい使い方とコツ

ここからは、塗装を成功させるための具体的な手順を、ステップバイステップで解説します。各ステップでは、初心者がやりがちな失敗例とその対策も「ワンポイントアドバイス」として紹介するので、安心して作業に取り組めるでしょう。
ステップ1:下地処理(脱脂・足付け)

塗装面の油分や汚れをシリコンオフなどで完全に取り除く「脱脂」は、美しい仕上がりのために欠かせない工程です。手の脂分や埃などが残っていると、塗料が弾かれて密着不良の原因となります。
次に、塗料の密着性を高めるため、サンドペーパーで表面に細かな傷をつける「足付け」を行います。適切な番手のサンドペーパーで軽く擦り、塗料が食いつきやすい状態を作ることが重要です。
ステップ2:養生(マスキング)

塗装したくない部分をマスキングテープや新聞紙で保護する「養生」の方法を確実に行いましょう。この工程を怠ると、後の修正作業が非常に困難になります。
塗料は意外と広範囲に飛び散るため、少し広い範囲まで保護することがコツです。特にスプレータイプの場合は、風向きも考慮して十分な養生を行うことをおすすめします。
ステップ3:塗装(重ね塗りのコツ)

一度に厚塗りせず、「薄く、均一に」を心がけ、複数回に分けて重ね塗りする(15〜20分程度の間隔をあける)のが基本です。厚塗りはムラや垂れの原因となるため、我慢強く薄い膜を重ねていくことが美しい仕上がりへの近道となります。
スプレーと対象物の距離は20〜30cm程度を保ち、一定のスピードで動かします。止まったり急に速くしたりすると、塗装ムラの原因となるので注意が必要です。
ステップ4:乾燥・硬化

塗装後は、ホコリなどが付かない場所で十分に乾燥させる必要があります。風通しの良い、清潔な環境での乾燥が理想的です。
表面が乾いても、内部が完全に硬化していない可能性があるため、十分に時間をおく(製品によるが2時間〜数日程度)ことが大切です。特にウレタン塗料は完全硬化まで時間がかかるため、焦らずじっくり待ちましょう。
実際に使うなら、スプレーに使用されているエアゾールバルブにも注目!
塗料の性能だけでなく、スプレーのバルブやボタンなどの部品も、塗装の仕上がりや使いやすさを大きく左右します。たとえば以下のような仕様は、業務用・DIY用どちらでも高い評価を受けています。

ペイントスプレー
クイックデリバリー対応 バルブ・小型ボタン
valve : G18-1A05-NHG1504MTSY-37xパイプ長R-CSMA
actuator : D18W 0529SPD”3”-B
cap : CV-695-色″3″
これらの部品や仕様についてのご相談・ご依頼は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
塗料の性能は高品質なスプレー缶でこそ活きる
ウレタンスプレーは、その優れた耐久性と美しい仕上がりから、DIYからプロの現場まで幅広く愛用されています。アクリルやラッカーとは異なる特性を持つため、用途に応じた適切な選択が重要です。
塗装を成功させるには、塗料自体の品質はもちろんですが、実は「スプレー缶の性能」も仕上がりを大きく左右する重要な要素です。均一な噴射パターンや安定した噴射圧は、美しい塗装仕上げには欠かせません。
私たち三谷バルブは、そうした高品質なスプレー製品を陰で支えるエアゾールバルブの専門メーカーです。皆さんが日頃手に取る様々なスプレー製品が、快適かつきれいに噴射できる裏側には、私たちの長年培ってきた技術が活かされています。
DIYでスプレー製品を選ぶ際は、塗料の種類だけでなく、ぜひ快適に使えるかという視点も持って選んでみてください。
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