Mitani Owned Media

SPRAYFOOD

3F Voice 04 | 神保佳永シェフに聞く 茨城発のスプレーフード「うしくのなたね」の楽しみ方

Interview Date: March 29, 2025
「Yoshinaga Jinbo」 神保佳永シェフ 東京・南青山
JINBO MINAMI AOYAMA

これまで3回にわたってお届けしてきた「3F Voice」インタビューでは、業界の第一線で活躍するシェフにスプレーフードの魅力を伺ってきましたが、今回は特別編です。菜種油のスプレーフード「うしくのなたね」を、東京・南青山にあるイタリアンレストラン「JINBO MINAMI AOYAMA」オーナーシェフの神保佳永さんに使っていただきました。

スプレーフード「うしくのなたね」は、三谷バルブ、牛久市の第三セクター法人「うしくグリーンファーム株式会社」、「学校法人晃陽学園 つくば栄養医療調理製菓専門学校」が連携し、産学官の協働によって生まれました。

オイルの原料には、茨城県内の耕作放棄地を開拓して栽培した菜の花を使用。菜種本来の香りや栄養素を保つため、低温でじっくり丁寧に搾油する、コールドプレス製法で作っています。オイルを酸化させないために、スプレー缶の仕組みにも工夫が。缶の中に、菜種油が充填されたアルミ製のバッグがはいっており、不可燃性ガスで圧をかけることで、菜種油が空気に触れないようにしているのです。「BAG ON VALVE(バッグオンバルブ)」という技術です。

そういったデザインや、地産地消を目的として開発された点が評価され、茨城県で開催された「いばらきデザインセレクション2024」の「製品・工芸部門」にも選定されました。

いばらきデザインセレクション2024製品・工芸部門

「スプレーフード」牛久産なたね油フレーバーオイル3種については、こちらの記事で解説しています。

そんな「うしくのなたね」をどのように使うのか。茨城県出身であり、2014年から「いばらき食のアンバサダー」としても活躍している神保さんに伺いました。

神保佳永シェフ

南青山に佇むモダンイタリアン


神保さんは、フランス、イタリア各地のミシュラン星付きレストランで2年間修業後、2002年に帰国。国内でさらなる修行を積み、野菜を中心としたイタリアレストラン「HATAKE AOYAMA」の総料理長を務めたのち、2022年に「JINBO MINAMI AOYAMA」をオープン。全国の産地を訪れて食材を選び、それらをふんだんに使ったオリジナリティあるイタリア料理を提供しています。開店から3年目にして評価は高く、「ゴ・エ・ミヨ」、「ミシュランガイド」など世界的なグルメガイドにも掲載されています。最近では、香港にて神保さんプロデュースのレストランもオープンしていて、海外にも活躍の幅を広げています。

取材日は春の陽気を感じる3月。あたたかい日差しの中、表参道駅から7分ほど歩くと「JINBO MINAMI AOYAMA」に到着しました。

JINBO MINAMI AOYAMA
JINBO MINAMI AOYAMA

玄関扉や内装には重厚感ある桜の木が使用されており、
上品で洗練された空間です。

神保さんのお料理をご紹介します。

春のラビオリに、香りのアクセント~ 「ラビオリ 焦がしバター ホタテ 新じゃが芋 春クレソン」×「うしくのなたね ハーブ」~

~ 「ラビオリ 焦がしバター ホタテ 新じゃが芋 春クレソン」×「うしくのなたね ハーブ」~

「ラビオリ」とはセモリナ粉と卵を練って作る北イタリアの伝統的な手打ちパスタ。まるで貝殻のように白く艶めく器に、花びらが舞うように盛り付けられています。

ラビオリの中には、ホタテのムースとイタリア産チーズ「タレッジョ」、そして茨城県産の銘柄豚「常陸の輝き」のほほ肉を熟成させた自家製グアンチャーレが詰められています。スープは、クレソンや野菜、ハマグリやアサリからだしをとったもの。そこに、新じゃがいものムースと、パリッと揚げた新じゃがいものチップスも添えられています。

仕上げには、神保さんが料理全体に「うしくのなたね」を吹きかけました。

~ 「ラビオリ 焦がしバター ホタテ 新じゃが芋 春クレソン」×「うしくのなたね ハーブ」~

 「私はお料理に野菜をよく使うので、ローズマリーやペッパーを効かせたハーブフレーバーの菜種油が合いました。独特の風味と香りがあって、それが料理のアクセントになりますね。温かい料理にかけると、ふわっと香りがたつんです」(神保さん)

湯気とともに立ちのぼるアロマを重層的にするための、贅沢な使い方です。

ハーブと、クレソンの爽やかな香りが、スープの優しいうまみとともに広がります。ツルっと舌触りの良いラビオリは、噛めば噛むほどうまみを感じる絶品でした。

仕上げの幅が広がる可能性


うしくのなたね ハーブ

神保さんに、「うしくのなたね」スプレーフードの使い心地について伺いました。

「“スプレーフード”という言葉を聞いたときには、シュッと吹きかけるだけかと思っていましたが、一滴ずつ垂らすこともできるのが、面白いですね」と神保さん。ノズルを押す強さで、噴射の仕方を変えられることにも着目し、様々な方法を試したそうです。

このスプレーフード、家庭の料理シーンでも、楽しめるのでしょうか。尋ねると、神保さんは気さくに答えてくれました。

「イタリア料理ではオリーブオイルをよく料理の仕上げに使います。そこからもわかるように、オイルっていろんなことに使えるんですよ。だから、難しいことはなくて、例えば、パスタサラダに吹きかけてあげると、香りが広がります。あたたかいスープとも相性が良さそうですよ。焼きたてのお肉や、白身のお魚と一緒に使っても、一層その香りやおいしさがひきたつのではないかなと思います」

「お刺身にも合いそう」と、意外な活用方法も教えてくれました。

リキュール

ヒントは産地の風景


それにしても、神保さんの美しい料理はどのようにして生み出されているのでしょうか。「ヒントは産地にあるんですよ」と神保さん。

「新しい料理のアイディアは、実際に産地で見た色や香りから浮かぶことが多いです。今回のお料理では、産地で見た時の”春の色”を表現しようと思ったんです。実際に景色を見ていないと、多分こういった、淡い春の緑の色は出せていないんです。もしこれが夏であれば、もっと緑も黄色も、濃い色合いになりますね」

旬の食材を使った料理で、日本の四季を感じて欲しい――それが、神保さんが20年以上、全国の産地に足を運んでいる理由のひとつでもあるのです。

~ 「ラビオリ 焦がしバター ホタテ 新じゃが芋 春クレソン」×「うしくのなたね ハーブ」~

「うしくのなたね」は茨城県でつくられましたが、神保さんにとって故郷でもあります。改めて、茨城県への思いを伺いました。

「茨城県は生産者の方がすごく努力されているので、野菜も魚も肉も含めてクオリティが高いですね。東京という消費地も近いので、さまざまな食材の種類も多い。食材の宝庫です。自分としては、故郷を食で盛り上げていきたいという思いを強く抱いています」

進化するには「フィードバック」が鍵


「うしくのなたね」の開発は、神保さんの目にはどう映ったのでしょうか。

「学生の皆さんにとって、地産地消のものづくりへの意識が高まることですよね。大切なことだと思います」

そう話す神保さんは、レストランを経営する傍ら、食育活動にも取り組んでいるのだそう。例えば東京都内の小学生とともに田んぼを訪ね、どのようにお米が作られているのかを伝えることも。そういった活動を通して、”どうしてお米は最後の一粒まで残さずに食べるのか”というようなことを感じてもらいたいのだと言います。

 「うしくのなたねがこうして商品化されたことは素晴らしいですね。ぜひ作って終わりではなく、その先も大事にしてほしいと思います。これを何に、どうかけるか、誰に食べていただくか。そしてお客さまがそれをどう感じるか。そういったフィードバックを学生さんに伝えられると、より良い製品が生まれるはずです。そのためには、やはり、お客様にお料理やオイルを食べていただけると良いですね」

料理人が産地に足を運ぶことで、お互いの考えを知り切磋琢磨することができる。それと同様に、作り手が食べ手の意見を聞くことが、食材や料理をより魅力的なものにするために必要なのだと力強く語りました。

「今後も、新しく生まれる道具や、さまざまな食材を使いながら、新しいチャレンジを続けていきたいですね」と神保さんは期待します。

「うしくのなたね」が、今後も地域の活動として根付き、愛される商品となるように、さまざまなアイディアをいただいた時間でした。
季節ごとの旬の食材の魅力を体感できる「JINBO MINAMI AOYAMA」。ぜひ足を運んでみてください。

神保佳永シェフ

JINBO MINAMI AOYAMA
〒107-0062 東京都港区南青山4丁目11−13 サンライトヒル青山
https://jinbo-ma.jp/

interviewer
芦谷日菜乃
Photographer
大久保空


3F Voice
「食(Food)」「未来(Future)」「自由(Freedom)」

新しい食品容器の選択は新しい価値を生み出す
新しいアイデアや技術を生み出し、よりよい未来を切り開いていく

スプレーフードの詳細はコチラをCHECK!!!
↓↓↓

スプレーフードに関する打ち合わせ、サンプル送付、各種お問い合わせは以下よりお願いいたします。
OEM開発や小ロットでのサンプル作成も承ります。
こんなスプレーが作ってみたい!というご要望などございましたらご気軽にご相談ください。

TOP