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LPガスが環境に優しい
クリーンエネルギーとして注目される理由

私たちミタニが作っているエアゾール製品の噴射剤として欠かせないLPガス。そのLPガスが、環境に優しいクリーンエネルギーとして注目されているのを知っていますか?

今後、地球温暖化を中心とした環境問題への取り組みが求められていく中で、LPガスの活用が解決策の一つになる可能性があります。今回は、LPガスの基礎知識から環境に優しいと言われている理由までをまとめて解説します。


そもそもLPガスとは?

LPガスの正式名称は「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」ですが、日本では一般的に、略称であるLPガスやLPGと呼ばれています。

LPガスはプロパンやブタンを主成分とする化石燃料で、常温かつ通常の気圧では気体として存在しています。主成分がプロパンの場合は「プロパンガス」とも呼ばれますが、この呼び方の方が耳なじみがあるという人も多いのではないでしょうか。

一般的に、LPガスは液体に変化させた状態で運搬・保管します。その理由は、液体にした方が気体の時よりも体積が小さくなり、運搬・保管の効率が良くなるためです。圧力をかけたり、冷却したりすることで簡単に液化できるのがLPガスの特徴で、液化すると体積が約1/250にまで圧縮されます。液体になったLPガスはボンベに入れられて私たちの手元に届けられ、気体に戻してから使用されることになります。


LPガスは何に使われている?

LPガスは以下に示したように、私たちの身の回りの至るところで活用されています。

・ 家庭用のガスコンロやカセットコンロ
・ ガス給湯器
・ ビルなどの業務用空調機器(ガスヒートポンプ)
・ レストランなどの業務用厨房機器
・ タクシーやトラックなどのLPガス自動車
・ 工業用エネルギー
・ 火力発電の燃料
・ エチレンやプロピレンなどの化学製品の原料
・ エアゾール製品の噴射剤


LPガスが環境に優しい5つの理由

すでに私たちの生活に欠かせない存在となっているLPガスですが、さまざまな環境問題に貢献する環境に優しいエネルギーとして、改めて注目が集まっています。最近では、2021年8月9日に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書の中で、LPガスが環境に与える負荷は非常に小さいということが明らかにされました。

環境問題への取り組みは全世界共通の課題であり、今後LPガスの活用がさらに進む可能性が高まっています。では、なぜLPガスは環境に優しいと言われているのでしょうか。5つの理由に分けてご紹介します。

CO2排出量が少ない

LPガスには、石油や石炭といったほかの化石燃料に比べて燃焼時のCO2排出量が少ないという特徴があります。CO2排出係数という指標では、原油を1.00とした場合にLPガスは0.86であり、ガソリン(0.99)や灯油(0.98)などに比べて約10%も少ないことが明らかになっています。

また、LPガスは燃焼する時だけでなく、生産・輸送段階でのCO2排出量も少ないエネルギーです。たとえば、輸送段階のLPガスは液体化して体積を圧縮した状態で小さいボンベなどに入れられているので、大量のLPガスであっても効率よく輸送できます。

このように、LPガスは生産から消費までのすべての過程でCO2排出量が少ないクリーンなエネルギーとして広く認識されています。

LPガス自体がクリーン

上述したIPCCの第6次評価報告書では、LPガス自体のクリーンさがGWP(地球温暖化係数)という指標を元に明かされています。GWPとは、炭酸ガス(二酸化炭素)を基準にしてほかの温室効果ガスがどれだけ地球を温暖化させるかを表したものです。同報告書では、炭酸ガスのGWPを1とした場合に、LPガスの主成分であるプロパンのGWPは0.02、ブタンのGWPは0.006と極めて小さいことが示されました。GWPの計算方法は世界的に統一されておらず、IPCCの報告書でも毎回数値が変わるものではありますが、LPガスが地球温暖化に与える影響がごくわずかであることは明確です。

ブラックカーボンの排出量が少ない

地球温暖化を引き起こす物質は、CO2のような温室効果ガスだけではありません。ブラックカーボンと呼ばれる微粒子も、温室効果ガスに次ぐ地球温暖化の原因の一つとされています。ブラックカーボンの代表例は物質が燃焼した際に発生するススですが、LPガスはススの発生量も少ないという特徴があります。

少量で多くのエネルギーを生み出せる

LPガスの特徴の一つに、発熱量の高さがあります。たとえば、同じく環境に優しいエネルギーとして注目されている都市ガスと比較すると、LPガスは約2.2倍の熱量を持っています。つまり、同じ量のお湯を沸かす場合に、LPガスは都市ガスの半分のガス量しか消費しないということです。

酸性雨やオゾン層破壊の原因にもならない

石油や石炭を燃焼させると、酸性雨の原因となる二酸化硫黄や窒素酸化物も排出されます。しかし、LPガスはこれらの物質をほとんど排出しません。また、地球を有害な紫外線から守っているオゾン層を破壊するフロンガスの代替材料としても、LPガスはよく利用されています。かつてのエアゾール製品にはフロンガスが噴射剤として使われていましたが、今ではLPガスへの置き換えが進んでいます。


ミタニのモノづくりにも欠かせないLPガス

私たちミタニが作っているエアゾールスプレーでは、噴射剤としてLPガスを使用しています。

消臭剤や殺虫剤、日焼け止めスプレーなどに幅広く利用されているエアゾールスプレーの材料として環境に優しいLPガスを採用することで、ミタニは環境に優しいモノづくりを行っていきます。

知ってますか?エアゾールスプレー?シリーズでは、エアゾールスプレーについて紹介しています。私たちの身の回りに実はたくさんある「エアゾール」について詳しく見ていきませんか?

私たちはほかにも、再生可能エネルギーの導入やプラスチック使用量の削減、環境配慮型プラスチックの採用など、環境問題を意識したさまざまな取り組みを進めてきました。環境に優しい企業を目指す私たちの取り組みを、のぞいてみていただければ幸いです。


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なぜCO2に価格を付ける?
「カーボンプライシング」とはなにか

「カーボンプライシング」。CO2(二酸化炭素)の排出を減らすための取り組みの一つとして、政府が導入を進めている制度です。日本が目指している2050年までの脱炭素社会の実現には欠かせない制度である一方で、企業や家庭に大きな影響を与えることから、政府は慎重に制度設計を行っています。

私たちミタニは、カーボンプライシングの本格的な導入に備えて、環境に配慮した製品づくりに積極的に取り組もうと考えています。私たちと一緒に、カーボンプライシングについて学んでみませんか?

<目次>
・カーボンプライシングってどんな制度?
・カーボンプライシング手法まとめ
・カーボンプライシングに備えたミタニの取り組み


カーボンプライシングってどんな制度?

カーボンプライシングは、気候変動の原因となるCO2の排出に対して価格を付ける制度です。企業や消費者がこれまで以上に環境に優しい行動を起こすことを目的として、導入が検討されています。


カーボンプライシングの考え方
たとえば、CO2を大量に排出している企業などに、排出量に応じた税金の負担を求めるとしましょう。すると、企業は税金を下げようとして、CO2排出量を削減する取り組みを積極的に行うことが期待できます。このように、CO2削減に対する経済的なインセンティブを創り出すというのが、カーボンプライシングの基本的な考え方です。

この数年間で一気に注目を集めるようになりましたが、カーボンプライシングの考え方自体は真新しいものではありません。1990年にフィンランドがいち早く導入してから、ヨーロッパを中心に広がってきました。世界銀行の調査によると、2021年4月時点で64の国と地域がカーボンプライシングを導入しており、世界の温室効果ガス排出量の約20%をカバーしているといいます。

実は、日本でも2012年に「地球温暖化対策税」という形ですでに導入されており、CO2排出量1トン当たり289円の税負担が企業に課せられています。また、東京都や埼玉県のような一部の自治体では、後ほど紹介する排出量取引という制度を導入済みです。

ただし、日本のカーボンプライシングはまだまだ限定的な取り組みであり、CO2削減効果も少ないことから、世界的に見るとやや遅れているのが現状です。そこで、環境省と経済産業省が連携しつつ、カーボンプライシングの本格的な制度設計を進められています。


カーボンプライシングの手法まとめ

日本で制度化が検討されているカーボンプライシングの手法は、4つあります。それぞれの手法がどのような内容なのか、学んでいきましょう。

1.炭素税

炭素税は、CO2排出量1トン当たり◯円といったように、CO2を排出する事業者に直接課税する手法です。事業者がCO2排出量を削減するように促すとともに、炭素税で得た税収を再生可能エネルギーへの投資や新技術の開発に充てることで、さらなるCO2削減を目指します。

先ほど紹介した日本の「地球温暖化対策税」は炭素税にあたるものです。しかし、多くの国がCO2排出量1トン当たり数千円の税率をかけているのに対して、日本は289円とかなり低い税率になっています。税率を引き上げる、他の税制度を設ける、といった形で、炭素税に関する何らかの動きがあるでしょう。

2.排出量取引

先ほどの炭素税と並ぶカーボンプライシングの代表的な手法が、排出量取引です。事業者ごとにCO2排出量の上限を設定し、各事業者は上限を超えないように削減に取り組みます。上限を超えると罰金が科せられるため、上限に達した企業は、達していない事業者から排出権を買い取るなどして調整しなければなりません。反対に、排出権を売って利益を出すこともできるため、企業がCO2排出量の削減に取り組むインセンティブが生まれます。

国の制度として排出量取引を導入すれば、CO2排出の総量をある程度コントロールできるので効果的です。しかし、排出量の上限を公平に設定するのが難しいという課題があるので、政府は慎重に制度設計を進めています。

3.クレジット取引

CO2排出量の削減価値をクレジット・証書化して取引を行う手法です。たとえば、日本ですでに導入されている「J−クレジット」では、事業者による省エネ設備や太陽光発電設備の導入、植林活動といったCO2排出量削減につながる取り組みをクレジットとして認証しています。クレジットの創出者は、クレジットを売ることで上記のような取り組みの資金にできます。反対に、クレジットの購入者は、クレジットの購入を通してCO2削減に貢献したり、企業価値を向上したりできるという制度です。

4.炭素国境調整措置

国際的なカーボンプライシングの手法として注目されているのが、炭素国境調整措置です。環境問題への取り組みが不十分な国から製品を輸入する際に、CO2分の価格差を事業者に負担してもらう手法となっています。気候変動の抑制に消極的な国と、積極的な国との公平性を保つのが目的です。

日本で導入するかは現状未定ですが、ヨーロッパでは23年までに導入する方針が明らかになっています。実際に導入されれば、グローバル企業には特に大きな影響があるでしょう。


カーボンプライシングに備えたミタニの取り組み

カーボンプライシングのどの手法が導入されたとしても、企業にとって大きな負担になることは間違いありません。しかし、私たちミタニはカーボンプライシングにしっかりと向き合い、脱炭素社会の実現に向けて貢献したいと考えています。
カーボンプライシングに備えたミタニの取り組みはすでにスタートしています。どのような取り組みか、のぞいてみませんか?

環境配慮型プラスチックの使用

製造過程で多くのCO2を排出するプラスチックは、CO2排出量を削減する上で重要な素材です。私たちは、自社で製造しているエアゾールバルブやディスペンサーポンプの材料として環境配慮型プラスチックを積極的に採用しており、環境に優しい製品づくりを続けています。
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エアゾールバルブ SWAYK

ミタニの製品では、環境に配慮した設計を積極的に取り入れています。たとえば、エアゾールバルブのSWAYKは噴射材として、液化ガスよりも二酸化炭素の排出量が少ない圧縮ガスを採用。また、ノズル切替えのためのゴムリングを使用しないことにより、ゴムリングの製造過程で発生する二酸化炭素を削減します。従来のエアゾールバルブと比較して、最大で90%以上の二酸化炭素を削減することに成功しました。
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ミタニの再生可能エネルギー

2030年までのSDGsの達成や、2050年までのカーボンニュートラルの達成に向けて、企業による環境に優しい取り組みが活発に行われています。その中でも代表的な取り組みの一つが、再生可能エネルギーの導入です。環境に優しいモノづくりを目指している私たちも、再生可能エネルギーの導入を進めてきました。

これからの時代のキーワードである再生可能エネルギーですが、どんな種類があるかや、日本での導入状況がどの程度なのかはご存じでしょうか?

今回は、私たちと一緒に再生可能エネルギーについての知識を深めてみましょう。


再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーは、資源が枯渇せずに繰り返し利用できるエネルギーを指す言葉です。
再生可能エネルギーの主な特徴として、次の3つの要素が挙げられます。

再生可能エネルギー3つの特徴

資源が枯渇しないこと

現在使われているエネルギーのほとんどは、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を燃やして生み出されています。しかし、化石燃料はいつかは枯渇してしまう有限な資源であり、再生可能エネルギーではありません。

私たちの住む地球には、太陽光・風力・水力・地熱といった自然が生み出すエネルギーがたくさんあります。エネルギーによっては一時的に枯渇することもありますが、自然の活動などによって再生するので、なくなることはありません。

どこにでも存在すること

化石燃料の多くは採れる場所が限られています。特に日本は化石燃料が乏しいので、ほとんどを海外からの輸入に依存しています。エネルギーの安定供給という課題に加えて、輸送によって発生する温室効果ガスの問題もあります。

しかし、再生可能エネルギーは自然のエネルギーを使用しているので、あらゆる場所でエネルギー源を調達できます。立地によって向き不向きはあるものの、利用する場所の近くでエネルギーを生み出しやすいのが特徴です。

温室効果ガスを排出しないこと

化石燃料を燃やしてエネルギーを得る際には、大量の温室効果ガスが発生します。温室効果ガスは地球温暖化を始めとする気候変動の主な原因になっているので、削減しなければなりません。

しかし、太陽光・風力・水力・地熱といった再生可能エネルギーでは温室効果ガスは発生しないか、発生したとしても少量に抑えられます。そのため、化石燃料で生み出すエネルギーから、再生可能エネルギーへの置き換えが急がれているのです。


再生可能エネルギーにはどんな種類がある?

資源エネルギー庁によると、再生可能エネルギーには次のような種類があります。

今回は、日本で主に導入されている5つの再生可能エネルギーについて簡単にご紹介します。

日本で導入されている再生可能エネルギー

1. 太陽光発電

太陽光発電は、太陽の光をエネルギーとして直接電気を生み出す発電方法です。既存の建物の屋根や壁といった未使用のスペースを有効活用でき、導入コストも比較的安いため、企業や家庭でも導入しやすいのが特徴です。一方で、発電量が天候に大きく左右されるのがデメリットといえます。

三谷バルブ茨城工場 太陽光パネル

2. 風力発電

風力発電は、自然の風を利用して風車を回し、電気を生み出す発電方法です。太陽光発電に比べると発電効率が高く、昼夜を問わず発電できます。しかし、設置場所に制限があることや導入コストの高さから、企業での導入は難しいことが多いでしょう。日本では、洋上で風力発電を大規模に行って電力を供給することが検討されています。

3. 水力発電

水力発電は、水の流れを利用して水車を回し、電気を生み出す発電方法です。ダムでの大規模な発電が一般的ですが、河川や上下水道で発電するマイクロ水力発電(小水力発電)という方式もあります。水力発電は電気を安定的に生み出せますが、風力発電と同じく導入コストが課題でした。今後マイクロ水力発電が普及すれば、導入しやすくなるかもしれません。

4. 地熱発電

地熱発電の方式は大きく2種類あります。1つは、地下にある高温の蒸気を利用して発電用のタービンを回し、電気を生み出す方式で、もう1つは、温泉の熱を利用する方式です。いずれも火山国である日本ならではの発電方法であり、安定した電力供給が行えます。ただし、ほかの再生可能エネルギーに比べると発電できる立地がかなり限られるのがデメリットといえます。

5. バイオマス発電

バイオマスとは、動植物から生まれた生物資源のことです。たとえば、不要になった木材や穀物などがバイオマスの例として挙げられます。バイオマス発電では、バイオマスを燃やしたり、ガス化したりして電気を生み出します燃やすと温室効果ガスが発生してしまいますが、バイオマスは成長途中に温室効果ガスを吸収しているので、実質的に排出量がゼロ(カーボンニュートラル)とみなされています。


日本の再生可能エネルギーの導入状況

資源エネルギー庁が公表している資料によると、2018年度の日本の再生エネルギー電力比率は17%でした。また、2030年度の再生エネルギー比率を22〜24%まで延ばす目標も示されています。内訳は次のとおりです。

SDGsやカーボンニュートラルといった目標を考えると、再生可能エネルギーの比率はまだまだ延ばす必要があるといえるでしょう。政府主導の取り組みはもちろんですが、私たちのような企業の取り組みも重要になると考えています。


ミタニはどんな取り組みをしていくの

茨城工場 太陽光パネル完備、食堂付きの事務所棟 (2021年9月完工)
茨城工場 駐車場に設置されている太陽光パネル (撮影:2021)

私たちミタニは、エアゾールバルブやディスペンサーポンプなどのメーカーとして、環境に優しいモノづくりを目指しています。再生可能エネルギーを導入してモノづくりによる消費電力をクリーンにしようと考え、茨城工場敷地内に太陽光パネルを設置しました。工場での消費電力によるCO2排出量を年間10%(約65トン)削減することを目標に、取り組みを進めていきます。



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2050年までの達成を目指す
「カーボンニュートラル」とは?

2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、カーボンニュートラルという言葉をよく聞くようになりました。カーボンニュートラルの達成は非常に難しい目標ですが、私たちミタニも少しでも貢献したいと思い、取り組みを進めています。

カーボンニュートラルについての理解を深め、私たちと一緒に達成を目指してみませんか?


カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、CO2の排出量と森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることです。地球規模の課題である地球温暖化の解決に向けて、120以上の国と地域がカーボンニュートラルの達成を目指しています。

CO2は地球温暖化の主な原因となる温室効果ガスであり、石油や石炭などの化石燃料からエネルギーを作る際に多く排出されています。18世紀半ばに起こった産業革命をきっかけに人間は化石燃料を大量に消費するようになり、CO2が大量に排出されてきました。

2021年8月9日に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書では、世界の平均気温は産業革命前に比べると平均で1.09℃上昇しており、2040年までに1.5℃まで上昇する可能性が高いことが示されました。また、同報告書では人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたこと、地球温暖化を制限するためにはカーボンニュートラルの達成が必要であることなども報告されています。

CO2は植物の光合成などによって吸収される以外にも、「CCU」や「CCUS」と呼ばれる回収技術を使って除去できます。しかし、現在はCO2の排出量の方が吸収量・除去量の合計よりも圧倒的に多い状況です。CO2の排出量を減らしながら吸収量・除去量を増やしていき、ニュートラル(中立)を目指すというのが、カーボンニュートラルの基本的な考え方になります。


日本による
「2050年カーボンニュートラル宣言」

2020年10月の臨時国会で、菅総理は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。

・・・

資源エネルギー庁によると、2021年1月20日時点で日本を含む124ヶ国と1地域が2050年までのカーボンニュートラル達成を表明しています。2060年までの達成を表明した中国も含めると全世界の約3分の2を占めており、カーボンニュートラルの達成は世界共通の目標だといえるでしょう。

しかし、2050年までのカーボンニュートラルは並大抵の努力では実現できません。政府は目標を達成すべく、さまざまな戦略を策定しています。カーボンニュートラルに関連する戦略の一部をご紹介します。

カーボンニュートラルに関する戦略

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

グリーン成長戦略とは、経済と環境の好循環を作っていく産業政策です。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、今後産業として成長が期待され、なおかつ温室効果ガスの排出を削減する取り組みが不可欠と考えられる14の分野を設定し、各分野の民間企業への支援を行います。

地域脱炭素ロードマップ 
〜地方からはじまる、次の時代への移行戦略〜 

カーボンニュートラルの達成に向けて、脱炭素を段階的に広げていく戦略です。2020年から2025年までは100ヶ所以上の脱炭素先行地域で重点的な対策を行い、2030年までにその地域を全国に広げていきます。最終的には、2050年を待たずに全国の地域社会で脱炭素達成を目指します。


【業種別】CO2排出量の紹介

カーボンニュートラルを達成するためには、CO2排出量を減らしながら、植林をして吸収量を増やしたり、回収技術による除去量を増やしたりする必要があります。ただし、吸収量・除去量を増やすのは時間がかかるので、まずはCO2排出量を減らしていかなくてはなりません。

資源エネルギー庁によると、2018年時点の日本の温室効果ガス排出量は約12.4億トンであり、そのうち85%はエネルギー起源のCO2排出量が占めています。エネルギー起源のCO2排出量の内訳は次の通りです。

業種ごとで個別にCO2排出量の削減に取り組むのはもちろんですが、各業種は深く結びついているため、全体を考慮した取り組みも求められます。私たち一人ひとりの行動がカーボンニュートラルの達成につながると考えて、積極的に取り組んでいきましょう。


政府が導入する
「カーボンプライシング」とは?

カーボンニュートラルの達成に達成に向けた取り組みの中で、注目を集めているのがカーボンプライシングという仕組みです。CO2を排出する企業などの行動を変えることが目的で、次のような種類があります。

カーボンプライシングの種類

1)炭素税

CO2排出量に応じた課税を行う仕組み

2)国内排出量取引

企業ごとに排出量の上限を定めて、超過する企業と下回る企業の間で排出量を売買する仕組み

3)クレジット取引

CO2削減に価値を付けて、企業間で取引を行う仕組み

4)炭素国境調整措置

輸入時にCO2分の価格差を事業者に負担してもらう仕組み

2021年9月現在、政府はカーボンプライシングの導入に向けた制度設計を検討しています。今後本格的に導入されれば、私たち企業の取り組みはさらに加速していくでしょう。

▸カーボンプライシングについて詳しくはこちら
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「1.5℃上昇」に伴う危険!
IPCCの第6次報告書を読み解く

2021年8月9日に公表されたIPCCの第6次評価報告書は、「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。」と断定したことで大きな話題を呼びました。この報告書では、地球温暖化に伴って引き起こされる将来ありうる気候や、それらを防ぐためにはCO2排出量の削減に取り組む必要があることなども述べられています。

私たちはこの報告書で述べられた事実を受け止めて、少しずつでも環境に優しい行動を取らなくてはならないと考えています。IPCCとはなにか、第6次評価報告書でどのようなことが述べられているのか、私たちと一緒に学んでみませんか?


IPCCとは?

IPCCは「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称です。世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって1988年に設立された政府間組織であり、2021年8月時点で195の国と地域が参加しています。

IPCCの目的は、各国の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることです。世界中の科学者の協力の下、出版された文献(科学誌に掲載された論文など)に基づいて定期的に報告書を作成しており、気候変動に関する最新の科学的知見に基づく評価を提供しています。

IPCCには、3つの作業部会と1つのタスクフォースが置かれています。それぞれの役割は以下の通りです。

WG1(第1作業部会)

気候システム・気候変化の自然科学的根拠についての評価

WG2(第2作業部会)

気候変動に対する社会経済・自然システムの脆弱性、気候変動がもたらす影響、気候変動への適応のオプションについての評価

WG3(第3作業部会)

温室効果ガスの排出削減など、気候変動の緩和のオプションについての評価

TFI(国別温室効果ガス目録タスクフォース)

温室効果ガスの国別排出目録作成手法の策定、普及および改定

IPCCはこれまでに5回の評価報告書を公表しており、現在は第6回の評価報告書が作成されています。2021年8月9日に公表されたIPCCの第6次評価報告書は、上述したWG1(第1作業部会)による報告書に当たります。今後は残りの作業部会の報告書や統合報告書が作成・公表されていく予定です。

※参考:https://www.env.go.jp/press/109850/116630.pdf


IPCCによる第6次評価報告書の概要

では、IPCCのWG1による第6次評価報告書では、どのようなことが述べられていたのでしょうか。環境省のホームページで公表されている資料を基に、要約してご紹介します。

1.気候の現状について

人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏および生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。
人間の影響による気候変動は、世界中の全ての地域で、多くの気象および気候の極端な現象にすでに影響を及ぼしている。例として、熱波、大雨、干ばつ、熱帯低気圧などが挙げられる。

2.将来ありうる気候

世界の平均気温は、少なくとも21世紀半ばまでは上昇を続ける。今後数十年の間にCO2を始めとする温室効果ガスの排出量が大幅に減少しない限り、21世紀中に地球温暖化は1.5℃および2℃を超える。
地球温暖化の進行に伴って、気候システムの多くの変化が拡大する。例として、極端な高温、海洋熱波、大雨、農業および生態学的干ばつ、強い熱帯低気圧の割合、北極圏の海氷・積雪・永久凍土の縮小などが挙げられる。

3.リスク評価と地域適応のための気候情報

地球温暖化の進行に伴って、全ての地域において気候的な影響駆動要因(CIDs)の同時多発的な変化が増加すると予測される。

4.将来の気候変動の抑制

地球温暖化を特定のレベルに制限するには、CO2の累積排出量を制限し、少なくともCO2正味ゼロ排出(カーボンニュートラル)を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある。

※参考:https://www.env.go.jp/press/109850/116628.pdf

第6次報告書の中では、産業革命後の地球全体の気温の上昇幅が平均で1.09℃であることが示されています。また、今後温室効果ガスの排出を最も少なく抑えられたとしても、2021〜2040年の間に1.5℃上昇する可能性が50%以上あることも示されました。


気温が1.5℃上昇すると聞いても、ピンと来ない方も多いでしょう。しかし、気温が1.5℃上昇してしまうと私たちの生活にも大きな影響があります。たとえば、産業革命前は50年に一度しか起こらなかったレベルの熱波が、5〜6年に一度発生するようになります。また、極端な大雨の発生率が1.5倍になり、雨量も約10%増加して甚大な被害が出やすくなります。

約1℃上昇している現在であっても、ニュースなどを見ていると、「記録的な猛暑」や「数十年に一度の大雨」が毎年のように発生していると感じないでしょうか。地球温暖化を食い止めなければ、今後は地球全体がより厳しい気候になってしまうと予想されています。


気候変動を抑制するための取り組み
「カーボンニュートラル」とは?

第6次報告書では、将来の気候変動を抑制するためにCO2排出ゼロ(カーボンニュートラル)を達成する必要があると述べられています。

カーボンニュートラルとは、CO2の排出量と森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることです。日本は2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指すことを表明しており、達成に向けたさまざまな施策が政府によって検討されています。

カーボンニュートラルを達成するためには、政府主導の施策だけでなく、私たちのような企業の積極的な取り組みや、消費者の意識を変革することが不可欠です。私たちミタニは、環境に優しいモノづくりによってカーボンニュートラルの達成に貢献したいと考えています。


ミタニはどんな取り組みをしていくの?

私たちミタニは、事業を通じてカーボンニュートラルの達成に貢献すべく、さまざまな取り組みを始めています。実際にどのような取り組みをしているのか、のぞいてみませんか?

BOV (Bag on Valve)
環境にやさしいエアゾール

BOVは欧米を中心に世界の医療品、化粧品、食品業界のあらゆる業界の問題を解決しています。不可燃性の圧縮窒素ガスを採用しており、可燃性ガスを使わないことでCO2排出量を削減しています。
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海外自社工場での一貫生産体制

世界4カ国に12の拠点を持っており、ワールドワイドにモノづくりを行っています。最適な地域でモノづくりを行うことで、原材料や製品の輸送回数と輸送距離を抑えられる場合があり、CO2排出量の削減に貢献しています。
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