顧客のニーズが多様化したことにより、メーカーには多品種少量生産への対応が求められえる時代になりました。機能・デザイン・サイズ・地球環境への配慮といったお客様のさまざまなニーズに応えたいという思いから、私たちミタニも多品種少量生産を行っています。
多品種少量生産とは?なぜ求められているの?
多品種少量生産とは、機能やデザインなどの仕様が異なるさまざまな製品を少量ずつ作る生産方式のことです。反対の生産方式は少品種大量生産、もしくは単に大量生産と呼ばれます。モノが不足していた一昔前までは、大量生産でとにかく量を作ることが求められていました。しかし、モノが十分にある今の時代では量よりも質が重視されるようになり、メーカーのモノづくりも多品種少量生産に変化したという背景があります。
例えば、いまや誰もが1台は持つようになったスマートフォンについて考えてみましょう。数年前までは、1つのメーカーが発売する新製品は1機種のみで、カラーバリエーションも2〜3種類しかありませんでした。しかし、最近では1つのメーカーからサイズ違い、性能違いの機種が複数発売されており、カラーバリエーションも豊富になっています。これは、私たちのライフスタイルや価値観が多様化したことや、好みが細かく分かれたことなどに対してスマートフォンメーカーが応えた結果だといえるでしょう。
このように、多種多様なニーズを持つ顧客が求める製品をいち早く開発し、顧客が求める量だけ作る生産方式が、多品種少量生産です。
多品種少量生産を実現するのは難しい
顧客ニーズがさらに多様化していくこれからの時代において、多品種少量生産を実現することはほとんどのメーカーにとって共通のテーマです。多くのメーカーが多品種少量生産に取り組んでいますが、大量生産のように効率よく生産ができずに苦労しているメーカーがたくさんあります。その主な理由についてみていきましょう。
生産効率の低下
さまざまな種類の製品を作るためには、品種ごとに生産ラインを切り替えたり、段取り替えをしたりする必要があります。大量生産であれば生産を止めずに同じ製品を作り続けることができますが、多品種少量生産の場合は生産が止まる頻度が高くなり、生産効率が下がってしまうのです。また、生産効率の改善がしにくいことも問題です。同じ製品を継続的に作っていると、作業者の慣れによって生産量が増えたり、品質トラブルが減ったりします。生産する製品が多い多品種少量生産の場合、そういった改善効果が薄れてしまいます。
MITANI TRADING (THAILAND) CO.,LTD.
タイ工場製造ライン
コストの増加
先ほどの生産効率の低下も原因の1つですが、それ以外の理由でもコストが増える可能性が高くなります。例えば、大量生産の場合は同じ材料を大量に仕入れることで材料費を割安にできます。しかし、多品種少量生産では多くの種類の材料を少しずつ仕入れることになるので、材料費が高くなる傾向にあるのです。また、製品の種類が増えるということは、それらを作るための設備投資が増えることも意味します。特に、設備を外注している場合は設備投資やメンテナンスの費用が負担になってしまうでしょう。
製品開発の難しさ
多品種少量生産が難しいところは、モノづくりの現場だけではありません。さまざまな顧客のニーズを正確に捉え、そのニーズを満たすことのできる高い製品開発力が求められます。それに加えて、開発した製品を実現する技術力や、顧客の求める価格で提供するための管理力など、多品種少量生産ではモノづくりにおける総合力の高さが必要になるのです。
ミタニが多品種少量生産を実現できている理由は?
私たちミタニは、スプレー製品で使うエアゾールバルブやディスペンサーポンプの多品種少量生産を行っています。ディスペンサーポンプを例にすると、小さな製品はわずか0.035mlのスプレー噴射量しかありませんが、大きい製品は3mlの噴射量のものまであり、100種類ものラインナップでお客様の多様なニーズに応えています。
難しい多品種少量生産をミタニが実現できている理由。それは、ミタニのモノづくりの特徴である一貫生産体制にあります。
ミタニでは1956年の設立から現在に至るまで、製品企画設計、金型や組み立て機の設計・製作、成形・製造、出荷・販売といったモノづくりのすべてを自社で行うことに取り組んできました。
そうして培われたのが、お客様のニーズに柔軟に応える製品開発力と、最高水準のモノづくりを実現する生産技術力です。生産設備を内製することで生産ラインの自動化に取り組み、多品種少量生産であっても高い生産効率を実現しています。
ミタニがいま力を入れているのは、持続可能な社会を実現するための環境配慮型の製品や容器の開発です。ミタニはこれからも変わらず、お客様のご要望や世の中のニーズに応えるモノづくりに取り組んでいきます。
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