メーカーが海外に自社工場を持つことは珍しいことではありません。
私たちミタニも、世界4カ国に12の拠点を持っており、ワールドワイドにモノづくりを行っています。
海外工場にはメリットばかりではなく、デメリットも当然あります。なぜメーカーは国内だけでなく海外にも工場を持つのでしょうか。その理由を考えてみましょう。
メーカーはなぜ海外自社工場を持つのか?
まずはメーカーが海外に自社工場を持つことで得られるメリットについてみていきましょう。ここでは、4つのメリットをご紹介します。
メーカーが海外に自社工場を持つ4つのメリット
1. 海外への販路開拓ができる
日本国内だけでもそれなりの市場規模はありますが、海外にはより大きな市場が広がっています。また、今後の日本では少子高齢化の影響によって市場規模が縮小していくことは間違いありませんが、海外では人口の増加に伴って市場が拡大し続けることでしょう。そういった背景から、メーカー各社は国内だけでなく海外にも販路を見いだしています。
2. 生産コストを下げられる
日本のモノづくりは高水準なため、中小企業であっても海外にはまだない製品や技術を持っていることが多いものです。自社のモノづくりを海外にも広げることを目指し、海外へ進出するメーカーが増えています。
どの国に工場を持つかによりますが、海外工場では人件費を始めとする生産コストを下げられる傾向にあります。また、原材料の調達コストや製品の輸送コストを抑えられる場合もあるので、日本国内でモノづくりをするよりも有利です。
しかし、最近では海外の人件費上昇によって国内に工場を戻す企業が増えています。生産コストを下げることだけを目的とした海外進出にはこのようなリスクもあるので、他のメリットも含めた総合的な判断が重要になっています。
3. 人材不足を解消できる
日本国内では、少子高齢化の影響もあって人材不足が深刻化しつつあります。日本国内でのみ人材を集めるのではなく、海外の人材も幅広く採用することで人材不足が解消できるのです。海外にも優秀な人材が豊富にいるので、海外に自社工場を持って現地の人たちを採用できれば、自社の価値を高められる可能性があります。
4. 国内工場とのシナジーが生まれる
海外に工場を持つことで、今まで自社にはなかった新しい製品や技術のアイデアが生まれることがあります。日本と海外では生活様式や文化・ビジネス環境が大きく異なるためです。
国内工場で培ったノウハウを海外工場に展開するだけでなく、海外工場で得た新たなアイデアを国内工場に取り入れることで、良いシナジーが生まれるでしょう。
海外自社工場を持つことのデメリットはある?
海外に自社工場を持つことでメーカーは数多くのメリットを得られますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。実際のところ、海外進出に成功するメーカーばかりではなく、失敗して国内回帰するメーカーも多いのが現実です。では、海外自社工場を持つことのデメリットがどのようなものか、みてみましょう。
● 人材管理と教育
海外に自社工場を持ったときに最も難しいのが、人材管理と教育だと言われています。日本とは文化や働き方が異なる海外で安定して人材を確保するためには、日本での人材管理の方法をそのまま適用するのではなく、柔軟に変化させることが重要です。
また、海外の人材に自社のモノづくりのノウハウを身につけてもらうためには時間がかかります。日本と違って海外では一つの企業に長く勤めることが比較的少ないため、人材の定着に配慮しながら地道に教育をしていかなくてはならないのです。
● 物流
海外に工場を持っていると、物流が寸断される事態が発生した際にモノづくりを継続できなくなるリスクがあります。例えば、国内外で作った部品を海外工場に集めて組み立てる場合、物流が寸断されると海外工場の生産は止まってしまいます。
物流が寸断される事態が発生しうることは、直近のコロナ禍の状況を見ても明らかです。最悪の事態を想定し、対策をとっておく必要があるといえるでしょう。
● 社会情勢の変化や法規制
海外自社工場をスムーズに稼働させるためには、その国の社会情勢の変化や法規制に対して柔軟に対応しなければなりません。素早く情報をキャッチして柔軟に対応できなければ、最悪の場合は稼働停止に陥ることもあります。
特に最近では環境問題への関心が高まっており、各国で独自の法規制を設けていることも珍しくありません。グローバルにビジネスを展開するのであれば、環境問題への配慮が不可欠になっているといえるでしょう
ミタニの海外自社工場の特徴は?
私たちミタニは、海外諸国への進出をはじめ、世界共通のテーマである環境に配慮した製品づくりに積極的に取り組んでいます。その中で、タイ・ドイツ・中国にそれぞれ自社工場を持ってワールドワイドにモノづくりを行っています。そんなミタニの海外自社工場の特徴を少しご紹介します。
ミタニのモノづくりの特徴は一貫生産体制です。製品開発から販売までのすべてのフローを自社で行うことによって最高水準のモノづくりを実現してきました。ミタニでは生産ラインを構成する設備の設計と組み立て、調整までも自社内で取り組んでいます。その過程で培った豊富なノウハウを海外工場にも展開することで、どこで製造しても最高水準のモノづくりができるのです。
ミタニの一貫生産体制は変化にも強いのが特徴です。モノづくりにおけるすべてのフローを自社で行うことで、海外工場で起こりがちな物流や品質のトラブルにもすぐに対処できます。また、製品開発も自社で行っているので、世の中のニーズに合わせた新製品を開発して送り出してきました。いま最も力を入れているのは、環境に配慮したサステナブルな製品づくり。ミタニはこれからも世の中に役立つモノづくりを進めていきます。