Mitani Owned Media

SPRAYFOOD

3F Voice 06 | 繊細な素材の味を活かせるスプレー 藤良樹シェフ

Interview Date: May 13, 2025
「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ 茨城・常陸大宮
YOSHIKI FUJI

ミタニが開発するスプレーフード。可燃性ガス不使用で液体をミストやドロップ状に噴射することができます。その未来を探るコーナー「3F Voice」。今回は茨城県常陸大宮市にあるバスク料理のレストラン「YOSHIKI FUJI(ヨシキフジ)」を訪れました。バスク地方、サン・セバスチャンで修業した藤良樹シェフが、茨城県県北の食材を通じて土地の魅力を伝えています。藤さんに、レストランをオープンした経緯や、ミタニのスプレーフードの活かし方を伺います。

スプレーフードの香りや食感を、実際に試してみませんか?
打ち合わせ、サンプル送付、OEM開発、小ロット試作まで承ります。
「こんなスプレーを作りたい」というアイデアも大歓迎です。お気軽にご相談ください。

「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ

バスクの文化にひかれて


まずは藤さんに、レストランをオープンするまでの経緯を教えていただきました。

茨城県日立市に生まれた藤さんは、料理人の父の影響をうけ、五歳のときから料理人を目指していたそう。
調理師専門学校を卒業したのちは都内や逗子のフレンチで経験を積みます。逗子で地野菜に興味をもった藤さんは、「故郷の食材を知りたい」と茨城県に帰郷。
2010 年からは常陸大宮市内にあるレストラン「雪村庵」に務め、2014年からは同店のオーナーシェフとなります。同店は茨城の地元食材を活かした料理が評価され2021年には「ゴエ・ミヨ」にも掲載されました。

「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ

あるとき、藤さんは函館にある「レストラン バスク」の深谷宏治シェフと出会います。それがきっかけとなり、バスクの食文化を学びたいと、1年間現地で修業しました。

五感を使う食体験


スペインと南フランスにまたがるバスク地方は、地元料理の伝統を守りながら発展させた歴史があります。星付きシェフたちが集まり、料理を研究する「世界料理学会」などを通じて、切磋琢磨する料理人たちの情熱に、藤さんは心を打たれたといいます。

「特に感銘を受けたのが、薪焼きの料理を提供する、世界的に有名なレストラン『エチェバリ』です。そこで、地域の薪を使って料理するというスタイルに出会いました。食事そのものだけでなく、屋外の環境も楽しみながら、ゆっくりと過ごせるお店でした」

バスクで学んだ、五感で体験する食事の時間を届けたいと、藤さんは2024年5月に「YOSHIKI FUJI」をオープンしました。

「YOSHIKI FUJI」

常陸大宮の大自然を望むレストラン


レストランは常陸大宮市にある小高い丘の上に建っており、周囲の山々や畑が見渡せます。時間や季節ごとの景色の移り変わりを感じながらの食事は至福のひととき。テラスでは、風を感じながらアペリティフやティータイムを楽しむこともできるのだとか。「旅館に来たかのように、くつろいでほしいです」と藤さんは笑います。

「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ

テラスの隣には畑があり、シェフ自らが約30種類の野菜やハーブを育てています。松茸のような香りを持つキャットミントや、ナツハゼという山ブドウの原種などがここで収穫され、藤さんの料理を彩っています。

「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ

赤からし水菜の鞘を摘む藤さん

「料理中の香りや音も楽しんでほしい」と店内にはオープンキッチンがあり、藤さんが腕をふるう様子を近くで見ることもできます。そこでは地元の薪を使用した薪焼き料理の調理も行われています。ときにはワイナリーからブドウの木を譲り受け、その薪で焼いたお肉と、ワインを組み合わせた贅沢な食事も楽しめるのだそう。

「YOSHIKI FUJI」は、2025年のゴエ・ミヨにも掲載され、国内各地ひいては海外からもお客さんが足を運んでいます。

生産者と模索する新たな郷土料理


常陸大宮は、漁港と山間地のどちらにも30分ほどでアクセスでき、海と山の新鮮な食材を手に入れやすい場所です。

その恵まれた環境も活かしながら「YOSHIKI FUJI」では、半径60キロメートル以内で採れた食材を積極的に使用しています。

例えば霞ヶ浦ではシラウオ、レストランのすぐ近くを流れる久慈川では天然うなぎといった水産資源が捕れます。さらに、大子町の湯葉や奥久慈のシャモ、在来種の野菜など多彩な食材も。まさに食の宝庫です。

「YOSHIKI FUJI」 藤良樹シェフ

食材のみならず、設計やインテリア、器までこだわり、信頼のおける作り手のものを使用している

藤さんはそれらの産地を訪ねながら「ここでしか食べられない料理」を生み出すことを目指しているのだそう。

「どんな土地にも郷土料理のように、ここでしか食べられない料理というのがありますよね。それはひも解いていくと、その土地に根ざした食材があってこそなんです。県北ではアンコウ鍋がよく食べられていましたが、今では自然の環境も変わっているので今の茨城には、また違った可能性があると感じています。だからこそ、生産者さんとの関係をもってここでしか食べられない食材や新しい郷土料理を生み出していけたらと思っています」

食を通じて生産地の状況や、環境に目を向けるきっかけも作りたい――そんな思いも藤シェフの料理には込められています。

そんな藤さんに、スプレーフードを使っていただきました。

食材の繊細な味わいが活きる
〜久慈浜のスミイカと新タマネギのプリン×フキノトウとネギオイルのスプレーフード〜

5月中旬の「田んぼ」をイメージしたという一品。器は笠間焼作家のKei condoさんによるもの

5月中旬の「田んぼ」をイメージしたという一品。器は笠間焼作家のKei condoさんによるもの

トロトロに溶けるまでじっくり煮込んだタマネギのソースを使用したプリンに、久慈浜で水揚げされた新鮮なスミイカを載せた一品です。

ここで、スプレーフードの使い方をご紹介します。藤さんは、「ネギ」と「フキノトウ」、2種類のオイルをスプレーフードにし、2回に分けて使用しました。

まずは、スミイカとその上に載せるハーブに、2種類のスプレーフードをまとわせます。

まずは、スミイカとその上に載せるハーブに、2種類のスプレーフードをまとわせます。

香り付けしたスミイカとハーブをプリンに乗せたら、仕上げに料理全体にもスプレーフードを吹きかけ、完成です。

香り付けしたスミイカとハーブをプリンに乗せたら、仕上げに料理全体にもスプレーフードを吹きかけ、完成です。

目を閉じて口にすると、畑で摘んだばかりのコリアンダーのフレッシュな香りを感じました。そして、優しいイカの甘みやプリンのコク、ネギやフキノトウの青い香りが心地よく絡み合います。滑らかな舌触りはどことなく涼しげで、初夏の訪れを予感するような逸品でした。

藤さんはどのような狙いでこのスプレーフードを使用したのでしょうか。

「オイルを食材に直接垂らすと、食材よりもオイルの香りが先に主張することが多いです。でも、スプレーフードをかけることで、最初に食材の味が口に広がり、その後でスプレーのオイルの風味が感じられます。スプレー状にすることで、オイルが軽やかになり、食材に自然に馴染むと思います。」

スプレーフードは、お刺身やカルパッチョのように鮮魚に直接吹きかけてみるのもおすすめなのだと言います。

重ねづけで生まれる複雑な香り


また、フレッシュハーブとスプレーフードのハーブの「重ね使い」も試してみたいと藤さん。

「ハーブは摘みたての時の香りと、オイルに着香したときでは香りが違うので、それが複雑に絡み合って、味に深みが生まれます。食べている時に、この香りはなんだろうって、いろんな味を想像させるような味わいになってくれたらいいですね。」

重ねづけで生まれる複雑な香り

プレゼンテーションのアイディアも広がる


さらに、料理の提供前にお客様の目の前でスプレーフードをかけることで、プレゼンテーションの幅も広がるようです。

今回はお皿を傾けながらスプレーフードを吹きかけましたが、「ノズルを上にして噴射すれば、降ってきた雨のように吹きかけられそう」とユニークなアイディアも飛び出しました。スプレーフードの新たな可能性を感じました。

藤さんは、スプレーフードの開発について、最後にこう語りました。

「お料理を提供するときに、新たなアイディアを生み出すのは簡単ではありません。そんななかで、調理道具が新しく生まれることは、新たな料理のアプローチが生まれるということ。すごく面白いと思います」

独創的なアイディアとともに土地の食材を活かした料理を生み出す藤さんの、今後の活動にもぜひご注目ください。

YOSHIKI FUJI
茨城県常陸大宮市石沢1107-1
https://www.instagram.com/yoshikifuji/
2024年、茨城県常陸大宮市にオープン。スペインバスクでの修行を経た藤良樹シェフが、茨城県県北の食材をふんだんに使用したバスク料理で、県北の風土を表現する。ゴエ・ミヨ掲載店。

interviewer 芦谷 日菜乃 Photographer 大久保 空


3F Voice「食(Food)」「未来(Future)」「自由(Freedom)」

3F Voice
「食(Food)」「未来(Future)」「自由(Freedom)」

新しい食品容器の選択は新しい価値を生み出す
新しいアイデアや技術を生み出し、よりよい未来を切り開いていく

スプレーフードの詳細はコチラをCHECK!!!
↓↓↓

スプレーフードの詳細はコチラをCHECK!!!

スプレーフードに関する打ち合わせ、サンプル送付、各種お問い合わせは以下よりお願いいたします。
OEM開発や小ロットでのサンプル作成も承ります。
こんなスプレーが作ってみたい!というご要望などございましたらご気軽にご相談ください。

TOP