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ISCC PLUS認証とは?ISCC EUとの違いや取得のメリット・取得方法

株式会社三谷バルブ 茨城工場は、持続可能な製品供給への取り組みの一環として、2024年8月23日にISCC PLUS認証を取得しました。そこで、ISCC PLUS認証とは?ISCC EUとの違いや取得のメリット・取得方法について解説していきます。ISCC PLUS認証は、持続可能な原料の利用や製造プロセスの透明性を国際的に証明するための重要な認証制度です。特に、環境に配慮したビジネス運営や製品の持続可能性が求められる現代において、ISCC PLUS認証の取得は企業の競争力を高める大きなメリットとなります。

ISCCは「International Sustainability & Carbon Certification」の略称で、日本語では「国際持続可能性カーボン認証」と訳されます。

この認証制度は、バイオマスやリサイクル原材料の持続可能性を保証する国際的なプログラムで、世界各国の業界団体、シンクタンク、NGOなど多様なステークホルダーによって、オープンなプロセスで開発されました。

ISCCは、食品やエネルギー市場など幅広い市場で適用され、企業や団体が使用するリサイクル原料やバイオマス原料が、製品製造を含むサプライチェーン全体で適切に管理され、持続可能性の要求に適合していることを担保します。

ISCC PLUS認証は、EU域外を含む全世界で適用される持続可能性認証制度です。この認証は、バイオ燃料や製品だけでなく、リサイクル原料や製品、食品、飼料、技術的および化学的アプリケーションも対象としています。

特に化学産業や包装産業などの加工産業において、廃棄物からのバイオマスやリサイクル原料の持続可能な使用を証明するために世界中で認知されているプログラムです。

ISCC PLUSは、サプライチェーンのすべての段階における持続可能性を考慮に入れており、食品または飼料産業の生産も対象としています。

この認証は、REDⅡ Renewable Energy Directive 2018/20011(再生可能エネルギー指令)などの指令が適用されないため自由度が高く、企業が独自の持続可能性要求事項を追加できるスキームとなっています。そのため、持続可能性を重視する企業が自社の優位性を示すための認証として注目を集めています。

ISCC EUは、EU域内のバイオ燃料市場を対象とした認証スキームです。これは、REDⅡに基づいて運用されています。ISCC EUでは、対象となる資源の種類、資源の採取された農地、農地転用の時期などの持続可能性に加え、GHG(温室効果ガス)排出量の削減率についても厳格な要求があります。

一方、ISCC PLUSはより広範な適用範囲を持ち、EU域外の製品も対象としています。また、持続可能性の要求事項をより柔軟に設定できる点も特徴です。

このように、ISCC EUとISCC PLUSは、適用範囲と持続可能性要求事項の柔軟性において異なる特徴を持っています。

ISCC CORSIAは、国際航空のGHG排出量の削減を管理するための認証です。CORSIAのオフセット要件を満たす持続可能な航空燃料(SAF)をCORSIA適合燃料として証明することを目的としています。

一方、ISCC PLUSはより広範な産業や製品を対象としており、航空燃料に限定されない多様な持続可能な原材料や製品の認証に適用されます。このように、ISCC CORSIAは航空業界に特化した認証であるのに対し、ISCC PLUSはより汎用的な認証であるという違いがあります。

ISCC PLUS認証の取得は、企業にとって多くの利点をもたらします。以下は、ISCC PLUS認証取得の主要なメリットです。

これらのメリットは、企業の持続可能性戦略を強化し、ビジネスの成長を促進する上で重要な役割を果たします。

ISCC PLUS認証の取得により、企業は使用する原料の持続可能性と製造過程の透明性を国際的に証明することが可能となります。この認証は、サプライチェーン全体にわたる製品のトレーサビリティを保証し、企業が重要な環境および社会的基準を満たしていることを確認します。

これにより、リサイクルプラスチックやバイオプラスチック、バイオマテリアルなどの持続可能な原料の使用が適切に管理されていることを、客観的かつ信頼性の高い方法で示すことができます。

ISCC PLUS認証の取得は、海外市場や特定の産業における製品採用の条件を満たすための重要な要素となります。近年、再生可能エネルギーやリサイクル素材の使用が取引や採用の条件となるケースが増えています。

ISCC PLUS認証を保有することで、こうした要求に適合し、新たなビジネスチャンスを広げることが可能になります。特に、環境配慮型の製品や材料を求める企業との取引において、ISCC PLUS認証は強力な競争優位性をもたらします。

ISCC PLUS認証の取得は、企業の環境経営への取り組みを効果的にアピールする手段となります。この国際的に認知された認証は、消費者、投資家、株主などのステークホルダーに対して、企業が持続可能性を重視し、環境負荷の低減に真剣に取り組んでいることを明確に示します。

特に、ESG投資の重要性が高まる中、ISCC PLUS認証は企業の環境面での取り組みを客観的に評価する基準として機能し、投資家からの信頼性向上にも寄与します。

ISCC PLUS認証を取得するには、第三者機関による厳正な審査を受ける必要があります。この過程では、原材料の証明書や製造計画書などの書面チェック、さらには製品製造過程の工場実地監査が行われます。

これらの審査を通過し、一定の基準に合格することで、再生可能な資源や原材料を使用したサスティナブルな製品であることが認証され、ISCC認証マークの使用が許可されます。

ISCC PLUS認証の取得手順は、以下の通りです。

  1. アンケート用紙の記入・提出:SGS指定のアンケート用紙を記入、提出します。
  2. 見積り依頼:SGSに対して見積りを依頼する
  3. 見積書の受領・申請書の提出:見積書を受け取り、申請書を提出する。これにより正式な契約が成立する。
  4. ISCCへのシステムユーザー登録:申請者自身がISCCのホームページから直接ユーザー登録を行う。
  5. 監査スケジュールの調整:SGSのアドミニストレーターと協力して、監査の日程を決定する。
  6. 監査の実施:現地訪問による監査が行われ、監査報告書が作成される。
  7. 認証書の発行:監査完了後、SGS GermanyとISCCによるレビューを経て、正式な認証書が発行される。

参考: ISCC認証|SGSジャパン株式会社

ISCC PLUS認証を取得するためには、主にライセンス費用と監査費用の2種類の費用が発生します。

ライセンス費用は、登録費用と認証費用から構成されるものです。登録費用は50ユーロから500ユーロの範囲で設定されていることが一般的で、認証費用は基本料金と認証製品従量課金の合計となります。また、監査費用は、認証機関に支払う費用で、数十万円に監査員の旅費(実費)が加算されます。

ISCC PLUS認証の取得にかかる費用は、企業規模や認証製品の量などによって異なるため、一概に総費用を示すことはできません。正確な費用は個別に見積もりを取る必要があります。

参考:環境省|マスバランス方式のプラスチックを認証する制度(詳細)

ISCC PLUS認証を行う機関には、国際的に認知された第三者機関があります。例えば、ビューローベリタスはISCC PLUS、ISCC EU、ISCC CORSIAの審査を行っており、世界で発行されたISCC PLUS/EU認証の約10%を担当しています。また、SGSもISCC認証機関のひとつであり、全世界で約30%の認証を手掛けています。

日本国内には、日本人審査員による日本語での審査が可能な機関もあり、企業のニーズに応じた選択が可能です。

三谷バルブは、ISCC PLUSの要求事項に準拠し、環境寄与に関する多重計上を行わないことを約束しています。この取り組みにより、同社はバイオマス原料や再生原料の適切な管理と使用を担保し、サプライチェーン全体での持続可能性を確保しています。

ISCC PLUS認証を取得した三谷バルブの製品は、環境負荷の低減に貢献しつつ、高品質な性能を維持しています。これらの製品に興味をお持ちの方は、三谷バルブの公式ウェブサイトの製品ページをご覧ください。

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