カテゴリー
サステナブル/Sustainable

なぜCO2に価格を付ける?
「カーボンプライシング」とはなにか

「カーボンプライシング」。CO2(二酸化炭素)の排出を減らすための取り組みの一つとして、政府が導入を進めている制度です。日本が目指している2050年までの脱炭素社会の実現には欠かせない制度である一方で、企業や家庭に大きな影響を与えることから、政府は慎重に制度設計を行っています。

私たちミタニは、カーボンプライシングの本格的な導入に備えて、環境に配慮した製品づくりに積極的に取り組もうと考えています。私たちと一緒に、カーボンプライシングについて学んでみませんか?

<目次>
・カーボンプライシングってどんな制度?
・カーボンプライシング手法まとめ
・カーボンプライシングに備えたミタニの取り組み


カーボンプライシングってどんな制度?

カーボンプライシングは、気候変動の原因となるCO2の排出に対して価格を付ける制度です。企業や消費者がこれまで以上に環境に優しい行動を起こすことを目的として、導入が検討されています。


カーボンプライシングの考え方
たとえば、CO2を大量に排出している企業などに、排出量に応じた税金の負担を求めるとしましょう。すると、企業は税金を下げようとして、CO2排出量を削減する取り組みを積極的に行うことが期待できます。このように、CO2削減に対する経済的なインセンティブを創り出すというのが、カーボンプライシングの基本的な考え方です。

この数年間で一気に注目を集めるようになりましたが、カーボンプライシングの考え方自体は真新しいものではありません。1990年にフィンランドがいち早く導入してから、ヨーロッパを中心に広がってきました。世界銀行の調査によると、2021年4月時点で64の国と地域がカーボンプライシングを導入しており、世界の温室効果ガス排出量の約20%をカバーしているといいます。

実は、日本でも2012年に「地球温暖化対策税」という形ですでに導入されており、CO2排出量1トン当たり289円の税負担が企業に課せられています。また、東京都や埼玉県のような一部の自治体では、後ほど紹介する排出量取引という制度を導入済みです。

ただし、日本のカーボンプライシングはまだまだ限定的な取り組みであり、CO2削減効果も少ないことから、世界的に見るとやや遅れているのが現状です。そこで、環境省と経済産業省が連携しつつ、カーボンプライシングの本格的な制度設計を進められています。


カーボンプライシングの手法まとめ

日本で制度化が検討されているカーボンプライシングの手法は、4つあります。それぞれの手法がどのような内容なのか、学んでいきましょう。

1.炭素税

炭素税は、CO2排出量1トン当たり◯円といったように、CO2を排出する事業者に直接課税する手法です。事業者がCO2排出量を削減するように促すとともに、炭素税で得た税収を再生可能エネルギーへの投資や新技術の開発に充てることで、さらなるCO2削減を目指します。

先ほど紹介した日本の「地球温暖化対策税」は炭素税にあたるものです。しかし、多くの国がCO2排出量1トン当たり数千円の税率をかけているのに対して、日本は289円とかなり低い税率になっています。税率を引き上げる、他の税制度を設ける、といった形で、炭素税に関する何らかの動きがあるでしょう。

2.排出量取引

先ほどの炭素税と並ぶカーボンプライシングの代表的な手法が、排出量取引です。事業者ごとにCO2排出量の上限を設定し、各事業者は上限を超えないように削減に取り組みます。上限を超えると罰金が科せられるため、上限に達した企業は、達していない事業者から排出権を買い取るなどして調整しなければなりません。反対に、排出権を売って利益を出すこともできるため、企業がCO2排出量の削減に取り組むインセンティブが生まれます。

国の制度として排出量取引を導入すれば、CO2排出の総量をある程度コントロールできるので効果的です。しかし、排出量の上限を公平に設定するのが難しいという課題があるので、政府は慎重に制度設計を進めています。

3.クレジット取引

CO2排出量の削減価値をクレジット・証書化して取引を行う手法です。たとえば、日本ですでに導入されている「J−クレジット」では、事業者による省エネ設備や太陽光発電設備の導入、植林活動といったCO2排出量削減につながる取り組みをクレジットとして認証しています。クレジットの創出者は、クレジットを売ることで上記のような取り組みの資金にできます。反対に、クレジットの購入者は、クレジットの購入を通してCO2削減に貢献したり、企業価値を向上したりできるという制度です。

4.炭素国境調整措置

国際的なカーボンプライシングの手法として注目されているのが、炭素国境調整措置です。環境問題への取り組みが不十分な国から製品を輸入する際に、CO2分の価格差を事業者に負担してもらう手法となっています。気候変動の抑制に消極的な国と、積極的な国との公平性を保つのが目的です。

日本で導入するかは現状未定ですが、ヨーロッパでは23年までに導入する方針が明らかになっています。実際に導入されれば、グローバル企業には特に大きな影響があるでしょう。


カーボンプライシングに備えたミタニの取り組み

カーボンプライシングのどの手法が導入されたとしても、企業にとって大きな負担になることは間違いありません。しかし、私たちミタニはカーボンプライシングにしっかりと向き合い、脱炭素社会の実現に向けて貢献したいと考えています。
カーボンプライシングに備えたミタニの取り組みはすでにスタートしています。どのような取り組みか、のぞいてみませんか?

環境配慮型プラスチックの使用

製造過程で多くのCO2を排出するプラスチックは、CO2排出量を削減する上で重要な素材です。私たちは、自社で製造しているエアゾールバルブやディスペンサーポンプの材料として環境配慮型プラスチックを積極的に採用しており、環境に優しい製品づくりを続けています。
▸詳しく見る

エアゾールバルブ SWAYK

ミタニの製品では、環境に配慮した設計を積極的に取り入れています。たとえば、エアゾールバルブのSWAYKは噴射材として、液化ガスよりも二酸化炭素の排出量が少ない圧縮ガスを採用。また、ノズル切替えのためのゴムリングを使用しないことにより、ゴムリングの製造過程で発生する二酸化炭素を削減します。従来のエアゾールバルブと比較して、最大で90%以上の二酸化炭素を削減することに成功しました。
▸詳しく見る



カテゴリー
サステナブル/Sustainable

2050年までの達成を目指す
「カーボンニュートラル」とは?

2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、カーボンニュートラルという言葉をよく聞くようになりました。カーボンニュートラルの達成は非常に難しい目標ですが、私たちミタニも少しでも貢献したいと思い、取り組みを進めています。

カーボンニュートラルについての理解を深め、私たちと一緒に達成を目指してみませんか?


カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、CO2の排出量と森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることです。地球規模の課題である地球温暖化の解決に向けて、120以上の国と地域がカーボンニュートラルの達成を目指しています。

CO2は地球温暖化の主な原因となる温室効果ガスであり、石油や石炭などの化石燃料からエネルギーを作る際に多く排出されています。18世紀半ばに起こった産業革命をきっかけに人間は化石燃料を大量に消費するようになり、CO2が大量に排出されてきました。

2021年8月9日に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書では、世界の平均気温は産業革命前に比べると平均で1.09℃上昇しており、2040年までに1.5℃まで上昇する可能性が高いことが示されました。また、同報告書では人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたこと、地球温暖化を制限するためにはカーボンニュートラルの達成が必要であることなども報告されています。

CO2は植物の光合成などによって吸収される以外にも、「CCU」や「CCUS」と呼ばれる回収技術を使って除去できます。しかし、現在はCO2の排出量の方が吸収量・除去量の合計よりも圧倒的に多い状況です。CO2の排出量を減らしながら吸収量・除去量を増やしていき、ニュートラル(中立)を目指すというのが、カーボンニュートラルの基本的な考え方になります。


日本による
「2050年カーボンニュートラル宣言」

2020年10月の臨時国会で、菅総理は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。

・・・

資源エネルギー庁によると、2021年1月20日時点で日本を含む124ヶ国と1地域が2050年までのカーボンニュートラル達成を表明しています。2060年までの達成を表明した中国も含めると全世界の約3分の2を占めており、カーボンニュートラルの達成は世界共通の目標だといえるでしょう。

しかし、2050年までのカーボンニュートラルは並大抵の努力では実現できません。政府は目標を達成すべく、さまざまな戦略を策定しています。カーボンニュートラルに関連する戦略の一部をご紹介します。

カーボンニュートラルに関する戦略

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

グリーン成長戦略とは、経済と環境の好循環を作っていく産業政策です。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、今後産業として成長が期待され、なおかつ温室効果ガスの排出を削減する取り組みが不可欠と考えられる14の分野を設定し、各分野の民間企業への支援を行います。

地域脱炭素ロードマップ 
〜地方からはじまる、次の時代への移行戦略〜 

カーボンニュートラルの達成に向けて、脱炭素を段階的に広げていく戦略です。2020年から2025年までは100ヶ所以上の脱炭素先行地域で重点的な対策を行い、2030年までにその地域を全国に広げていきます。最終的には、2050年を待たずに全国の地域社会で脱炭素達成を目指します。


【業種別】CO2排出量の紹介

カーボンニュートラルを達成するためには、CO2排出量を減らしながら、植林をして吸収量を増やしたり、回収技術による除去量を増やしたりする必要があります。ただし、吸収量・除去量を増やすのは時間がかかるので、まずはCO2排出量を減らしていかなくてはなりません。

資源エネルギー庁によると、2018年時点の日本の温室効果ガス排出量は約12.4億トンであり、そのうち85%はエネルギー起源のCO2排出量が占めています。エネルギー起源のCO2排出量の内訳は次の通りです。

業種ごとで個別にCO2排出量の削減に取り組むのはもちろんですが、各業種は深く結びついているため、全体を考慮した取り組みも求められます。私たち一人ひとりの行動がカーボンニュートラルの達成につながると考えて、積極的に取り組んでいきましょう。


政府が導入する
「カーボンプライシング」とは?

カーボンニュートラルの達成に達成に向けた取り組みの中で、注目を集めているのがカーボンプライシングという仕組みです。CO2を排出する企業などの行動を変えることが目的で、次のような種類があります。

カーボンプライシングの種類

1)炭素税

CO2排出量に応じた課税を行う仕組み

2)国内排出量取引

企業ごとに排出量の上限を定めて、超過する企業と下回る企業の間で排出量を売買する仕組み

3)クレジット取引

CO2削減に価値を付けて、企業間で取引を行う仕組み

4)炭素国境調整措置

輸入時にCO2分の価格差を事業者に負担してもらう仕組み

2021年9月現在、政府はカーボンプライシングの導入に向けた制度設計を検討しています。今後本格的に導入されれば、私たち企業の取り組みはさらに加速していくでしょう。

▸カーボンプライシングについて詳しくはこちら