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シリコンスプレーの用途は?バイクや家具への使い方・注意点を解説

シリコンスプレーは、日常生活のさまざまな場面で活躍する便利なアイテムです。自動車やバイクのメンテナンスから家具のお手入れまで、幅広い用途に使える万能スプレーとして知られています。この記事では、シリコンスプレーの基本的な特徴や効果的な使用方法、選び方のポイントまでを詳しく解説します。DIY愛好家から自動車整備士まで、物のメンテナンスに関わる方々にとって、必須の知識となるはずです。


シリコンスプレーとは

シリコンスプレーは、シリコンオイルを主成分とした多目的スプレーです。その最大の特徴は、塗布した表面にシリコン被膜(コーティング)を形成し、様々な保護効果を発揮することです。

一般的な潤滑スプレーと比較すると、大きな違いがあります。例えば、潤滑スプレーは主に、金属部分のメンテナンス用として開発されていますが、シリコンスプレーは金属だけでなく、ゴム、プラスチック、紙、木材など、幅広い素材に使用できます。

また、一般的な潤滑スプレーが塗布後も乾燥せずべたつきが残るのに対し、シリコンスプレーは塗布後にしっかりと乾燥するため、長期的な保護効果を発揮できます。シリコンは酸素、ケイ素、有機基からなる有機化合物で、熱や光に対する高い耐性を持ち、人体に対しても安全性の高い素材です。実は私たちの身近なところでも、ティッシュペーパーや柔軟剤、シャンプー、コンディショナーなど、多くの日用品に使用されており、私たちの生活を支える重要な物質となっています。


シリコンスプレーの成分と働き

地球上で酸素に次いで多い元素であるシリコン。土や石・岩、植物などに含まれているこの元素は、酸素やアルミニウムなどの他の元素と結びついた状態で存在しています。シリコンスプレーの主成分となるシリコンオイルは、熱や光に対する優れた耐性を持ち、化学的に安定した性質を示します。

シリコンスプレーを塗布すると物質の表面にシリコン被膜が形成され、優れた機能性を発揮します。その代表的な特徴として、金属の表面をサビから守る防錆効果、水を弾く防水・撥水効果、ドアやサッシの開閉をスムーズにする潤滑効果、そして表面に艶を与えるツヤ出し効果があります。

このように一つの製品で複数の保護効果と美観効果を同時に得られることが、シリコンスプレーの大きな特徴となっています。


シリコンスプレーを使うメリット

シリコンスプレーには、素材の保護から美観の維持まで、多岐にわたる効果があります。

金属部分の防錆効果では、自転車のチェーンや工具類の錆び防止に効果を発揮し、大切な金属製品を長期にわたって保護することができます。また、シリコン被膜による潤滑効果により、家具の引き出しやふすまの開閉がスムーズになり、日常生活での不便さを解消できます。

プラスチックや無塗装の樹脂パーツには、艶出し効果が特に有効です。例えば、車のダッシュボードや外装の黒い樹脂パーツが白く劣化してしまった場合、シリコンスプレーを塗布することで新品のような艶と黒さを取り戻すことができます。

さらに、撥水効果により、雨や水による劣化から素材を守ることもできます。この効果は傘やバッグなどの日用品から、自動車の樹脂パーツまで幅広く活用できます。


シリコンスプレーの多様な用途

シリコンスプレーの活用範囲は、家庭用品から工業製品まで実に幅広く存在します。その用途に応じて、溶剤タイプと無溶剤タイプを適切に選択することが重要です。塗布する素材や目的によって最適な種類が異なるため、製品選びの際には使用環境をしっかりと考慮する必要があります。

それでは具体的な活用シーンについて、家庭での使用例と車両での使用例に分けて見ていきましょう。


▷家庭での活用例

シリコンスプレーの特性を活かせる家庭内での使用場面は数多くあります。木材製品やプラスチック製品のメンテナンスには、素材を傷めにくい無溶剤タイプのシリコンスプレーが最適な選択肢となります。それでは、代表的な素材別の活用方法を詳しく見ていきましょう。

木製家具や建具のメンテナンスには、シリコンスプレーが効果的です。タンスやクローゼットの引き出し、障子やふすまの建て付けが悪くなった際に、適量のシリコンスプレーを塗布することで、スムーズな動きを取り戻すことができます。また、シリコン被膜による保護効果で、木材の劣化を防ぐ効果も期待できます。ただし、塗布量が多すぎるとべたつきの原因となるため、適量を守ることが重要です。

プラスチック製品は時間の経過とともに艶が失われ、見た目が悪くなりがちです。シリコンスプレーを塗布することで、新品のような艶を取り戻すことができます。また、プラスチック製品の可動部分にも使用でき、例えばカーテンレールやブラインドの動きをスムーズにする効果があります。紙やゴムなど、デリケートな素材にも安心して使える無溶剤タイプを選べば、より幅広い用途に活用できます。


▷車・バイクでの活用例

シリコンスプレーは自動車やバイクのメンテナンスにおいて、用途に応じて適切な種類を選ぶことが重要です。例えば、石油系溶剤タイプは金属部分との相性が良い一方で、プラスチックやゴムには使えない場合があります。無塗装の樹脂パーツやダッシュボードなど、それぞれの部位に合わせた製品選びと使用方法を心がける必要があります。
それでは、具体的な活用方法を詳しく見ていきましょう。

シリコンスプレーは車の内装部分、特にダッシュボードのツヤ出しや汚れ防止に効果を発揮します。ダッシュボードに使用することで、艶を取り戻し、同時に撥水効果も期待できます。ただし、車両への使用に関しては重要な注意点があります。シリコンスプレーは商品ごとに適している用途が異なり、プラスチックやゴムに使用できないタイプもあります。そのため、ダッシュボードやゴムパッキンなどに使用する際は、必ず商品の説明書きをよく読み、使用可能な箇所かどうかを事前に確認することが大切です。確認せずに使用すると、素材を傷める可能性があるため、慎重な判断が必要となります。

シリコンスプレーはバイクの外装のメンテナンスに活用できる便利なアイテムです。特にメッキ部品への使用は効果的で、ハンドルバーやリアキャリアなどの艶を維持することができます。
使用する際は、シリコンスプレーは高温になると効果が失われるため、カウルやサスペンションなど高温になりにくい場所への使用が推奨されます。

まず対象箇所をクリーナーなどで綺麗にしてから吹きつけます。スプレーしただけではムラになりやすいため、布を使って丁寧に塗り広げることが大切です。なお、シリコンスプレーには石油系溶剤タイプと無溶剤タイプがあり、無溶剤タイプを使用することが推奨されています。
また、シート、ハンドルグリップ、ガソリンタンクのニーグリップ部分には滑る危険があるため、使用を避ける必要があります。


シリコンスプレーを使用する際の注意点

シリコンスプレーは便利な製品ですが、適切な使用方法と注意点を理解することが重要です。誤った使用は素材の劣化や事故の原因となる可能性があるため、使用前に製品の説明書をよく確認し、適切な環境で使用する必要があります。また、素材との相性を確認することも、安全な使用には欠かせません。


▷使用できない素材と場所

シリコンスプレーは便利な万能製品ですが、その特性上、使用を避けるべき素材や場所があります。特に滑りやすくなる性質から、安全性に関わる部分には使用できません。また、素材によっては適切な製品選びが重要です。

それでは、具体的にどのような場所で使用を控えるべきか、また誤って使用してしまった場合の対処法について見ていきましょう。

石油系溶剤を含むシリコンスプレーは、塗装面やゴム製品を劣化させる可能性があります。特に車のボディなど塗装が施された部分への使用は避けるべきです。また、ゴムの種類によっては材質を傷める可能性があるため、使用前に目立たない場所でテストすることをお勧めします。シミになる可能性があるため、衣類や布製品への使用も避けた方が良いでしょう。

シリコンスプレーの使用時には、十分な換気が必要不可欠です。密閉された空間や通気性の悪い場所での使用は、健康上のリスクとなる可能性があります。スプレーから噴射される微粒子を吸い込むことで、体調不良を引き起こす可能性があるためです。
また、屋外で使用する場合も、風向きに注意を払い、スプレーが直接顔に向かわないよう気をつける必要があります。


▷安全な使用方法

シリコンスプレーを安全に使用するには、いくつかの基本的な注意点を守る必要があります。特に使用環境や換気の問題、火気の取り扱いについては、事故を防ぐために慎重な配慮が求められます。それでは、安全にシリコンスプレーを使用するための具体的なポイントについて見ていきましょう。

シリコンスプレーを使用する際は、必ず十分な換気を確保してください。窓や扉を開けて自然換気を行うか、換気扇を使用して強制的に空気を入れ替えることが推奨されます。また、作業時には必ずマスクを着用し、直接スプレーを吸い込まないよう注意が必要です。

シリコンスプレーは可燃性の製品です。火気の近くでの使用は絶対に避ける必要があります。また、使用後もしばらくは可燃性のガスが残る可能性があるため、換気を継続し、火気の使用は控えめにすることが推奨されます。喫煙も厳禁です。


シリコンスプレーの種類と選び方

シリコンスプレーには様々な種類があり、用途や目的に応じて適切な製品を選択することが重要です。市場には溶剤の有無や機能性の違いによって、多くの製品が存在します。効果的な使用のためには、これらの特徴をよく理解し、目的に合った製品を選ぶことが大切です。それでは、選び方のポイントについて詳しく見ていきましょう。


▷溶剤の有無

シリコンスプレーには石油系溶剤タイプと無溶剤タイプの2種類があり、それぞれ特性が異なります。それぞれに特徴があり、用途によって使い分ける必要があります。機械のメンテナンスには石油系溶剤タイプ、家具や日用品には無溶剤タイプというように、使用目的に応じて適切な製品を選択することが重要です。

石油系溶剤を含むシリコンスプレーは、金属との相性が特に優れています。成分が金属に深く浸透するため、機械の整備や金属部品のメンテナンスに最適です。ただし、塗装面やプラスチック、ゴムなどには使用できない場合があるため、使用前に素材との適合性を必ず確認する必要があります。

無溶剤タイプのシリコンスプレーは、幅広い素材に使用できることが特徴です。木材、プラスチック、紙、ゴムなど、デリケートな素材にも安心して使用できます。素材を傷めるリスクが低く、家具や日用品のメンテナンスに適しています。ただし、金属への浸透力は溶剤タイプに比べて劣るため、用途に応じた使い分けが必要です。


▷用途に合わせた選択

シリコンスプレーを選ぶ際は、主な使用目的を明確にすることが重要です。艶出しが目的なら光沢効果の高い製品を、防水効果を重視するなら撥水性の強い製品を選ぶというように、目的に応じた製品選びが効果的な使用につながります。パッケージに記載された用途や効果をよく確認し、自分のニーズに合った製品を選びましょう。


より安全で効率的なシリコンスプレーの使用に

私たちが日常的に使用するシリコンスプレーは、エアゾール製品の一つです。このエアゾール製品の品質を決める重要な部品として「バルブ」があります。バルブは必要な時に必要な量だけを噴射できるよう制御する弁の役割を果たしているのです。

株式会社三谷バルブは、エアゾール製品の製造における重要な課題を解決する「新G型バルブ」を開発しました。従来必要だったシェイキング(内容物とガスを混ぜ合わせる工程)を不要にする画期的な技術により、高品質な製品をより効率的に製造することが可能になりました。

私たちが使用するシリコンスプレーは、製造技術の革新によってより安全で効率的な製品として進化を続けています。家庭やバイク、自動車のメンテナンスなど、様々な場面で活躍するシリコンスプレーの品質を支える製造技術について、詳しい情報は三谷バルブのウェブサイトでご確認いただけます。

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