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【女性座談会に潜入!】エアゾール業界の未来を切り拓く女性たちの挑戦

株式会社エアゾール産業新聞主催の『女性が活躍するエアゾール業界の未来』をテーマにした座談会に特別に参加させていただきました!
座談会では、エアゾール業界で活躍する女性たちが集まり、業界における女性の活躍状況、女性視点での商品開発の重要性、業界の課題とその解決策などについて活発な議論が交わされました。 

取材日:2024年7月9日

・小林 和歌子 氏

掲載順について 司会者および参加者の順番は特に意味を持たず、順不同での掲載となっています。

エアゾール関連業務に従事する8名の女性による座談会。まずは、参加者の担当業務や各社の主力製品について紹介がありました。

東洋エアゾール工業の飯塚さんは、医薬部外品や家庭用エアゾール製品の開発研究を担当。環境配慮型の「詰め替えエアゾール」を紹介しました。

エア・ウォーター・リアライズの坪井さんは、化粧品開発部でマネジメント業務を担当。全身用UVカットスプレーの開発について触れました。

三谷バルブの吉田さんは、入社以来技術開発畑を歩み、現在は生産管理を担当しているそうです。先に触れたダイゾーの「BST-EVENT」への出品製品の開発にも携わったとのことでした。

花王の和田さんは、ヘルス&ビューティケア事業部で「ビオレ」や「キュレル」ブランドの製品開発を担当。若年層向けヘアスプレー「ケープ」を紹介しました。

コーセーの井樋さんは、メイク製品研究室でマスカラやファンデーションなどの開発を担当。エアゾール製品として「エスプリーク」のBBスプレーを紹介しました。

大日本除虫菊の小林さんは、殺虫剤エアゾールの開発に長年携わり、日本初の企業製造エアゾール「キンチョール」や新製品「ゴキブリムエンダー」について説明しました。

武内プレス工業の武内さんは、管理本部で本社業務を担当。二重構造エアゾール容器や新用途アルミ缶を紹介しました。

ダイゾーの山田さんは、営業部で営業関連業務とマネジメントを担当。自然由来成分の製品や環境配慮型パッケージ、技術展示会「BST-EVENT」について話しました。

参加者全員がエアゾール製品について熱心に語り、司会の小林さんはエアゾール業界の一員として喜びを感じると述べていました。

次のパートでは、エアゾール業界における女性活躍の状況と働きやすい環境づくりについて、各社の現状と取り組みが共有されました。

東洋エアゾール工業では、女性スタッフ比率が全体で20%程度。在宅勤務や育児時短勤務制度の導入は進んでいるものの、女性管理職のロールモデル不足が課題ということです。

ダイゾーでは、女性比率が10年で15%から20%に増加。特に営業部や研究開発部では40%と高く、仕事の見える化やナレッジマネジメントに取り組んでいるそうです。

エア・ウォーター・リアライズでは、女性比率が全社37%、研究員44%、化粧品部営業54%と年々増加。育児休業も問題なく取得されており、多様性のある働き方の実現を目指しているそうです。武内プレス工業では、全社の女性比率は13%と低いものの、管理本部では40%とのこと。技術系や営業部門での女性の受け入れ体制づくりが課題のようです。

三谷バルブでは、女性比率40%で、管理職の女性も増加しているようです。産休・育休制度が整備され、男性の育児休暇取得も増えているとのことでした。花王では、和田さんが所属するヘルス&ビューティケア事業部開発センターの女性比率は60%程度で、男女平等な待遇や個人のライフステージに応じた働き方が選択できるよう進めているとのことでした。

コーセーでは、全社の女性比率が80%程度。産休・育休、時短勤務、スーパーフレックスなど充実した制度があり、男性も育児に積極参加しているそうです。大日本除虫菊では、全社と研究職の女性比率が約40%。産休・育休制度が整備され、休暇を取得しやすい雰囲気があるとのことでした。

男性の育児休暇取得が進んでいることなどから、エアゾール業界では女性はもちろん、性別に関係なく働きやすい環境整備が進んでいるようです。

続いて、女性視点での商品開発についても議論され、各社から具体的な取り組みや事例が紹介されました。

東洋エアゾール工業では、育休から復帰した社員から新たな視点のアイデアが生まれることがあるそうです。ダイゾーエア・ウォーター・リアライズは、女性や高齢者のニーズに応える製品提案を行っています。

武内プレス工業は、握りやすい缶や持ち運びやすい形状の容器開発に取り組んでいます。三谷バルブは、社内のアイデア提案制度を活用し、誰にとっても使いやすいように軽量化や形状の工夫を行っています。

花王は、顧客の声を重視し、使いやすいボタンの開発や共同開発を行っています。ただし、決裁権を持つ層に男性が多いため、女性特有のニーズを反映させるところに課題があるそうです。コーセーは、女性の意見を基に多くの製品を開発。ユーザーへのヒアリングを活かして改良を重ねています。

大日本除虫菊は、家庭で虫の絵すら見たくないという視点から『ゴキブリムエンダー』や『虫コナーズ』の脱皮缶を開発しました。このアイデアは男性社員の発案でしたが、性別を問わず多くの人に共感されています。

このパートでは、顧客の声を直接聞き、製品開発に活かすことの重要性が再確認されました。また「誰が使うか」だけでなく「誰が買うか」も意識した商品開発の必要性も話し合われ、今後のエアゾール業界の発展に向けた貴重な議論となりました。

続いて、エアゾール業界における女性活躍推進と今後の取り組みについて議論されました。

東洋エアゾール工業は、ライフステージの変化に関わらずキャリアを継続できる環境づくりの重要性を強調。ダイゾーは、性別や年齢に関係なく活躍できる環境づくりと、男性の家事・育児参加促進の必要性を指摘しました。

エア・ウォーター・リアライズは、女性社員の長期勤続と相互理解の重要性を強調。武内プレス工業は、全員が生き生きと働ける環境づくりと、女性が意見を出しやすい機会の重要性を指摘しました。

三谷バルブは、休暇取得への理解が進んでいることを報告しました。また花王は、多様なキャリアパスの選択肢提供と女性リーダーのロールモデル増加の必要性を述べました。

コーセーは、産休・育休中のキャリアプラン策定支援の重要性を強調し、大日本除虫菊は、エアゾール業界に興味を持ってもらうため、利便性・安全性のアピールの必要性を指摘しました。

このパートでは、男女問わず働きやすい環境づくり、女性管理職のロールモデル増加、女性の意見を積極的に聞く機会の必要性について話し合われました。また、エアゾール製品の安全性や環境面での利点を消費者に広く伝える重要性も指摘されていました。

座談会の最後は、業界の発展に向けた課題と解決策について議論がなされました。

東洋エアゾール工業は、エアゾールの特性を活かした新製品開発の重要性を強調し、ダイゾーは、廃棄問題への対応と企業間協力の必要性を指摘しました。エア・ウォーター・リアライズは、リサイクル可能な新技術の導入検討を提案しました。

武内プレス工業は、アルミ缶の高いリサイクル率のアピールと創造的な製品開発の重要性を主張しました。三谷バルブは、エアゾールの負のイメージ払拭のため、安全性と環境配慮の両面からのアプローチを提案。そして花王は、開発者のエアゾール離れに触れ、社内でのエアゾールの特性や可能性の周知、他社との協力による新たな価値提案の重要性を指摘しました。

コーセーは、エアゾールの利点をさらに研究し活用する必要性を述べました。最後に、大日本除虫菊は、高いリサイクル率の周知や適切な情報提供の重要性を強調し、環境負荷の少ない新素材・原料開発の必要性を述べていました。

業界発展に向けた主な課題は、廃棄の難しさ、環境負荷、エアゾールへの理解の促進といったところで、その解決策として、リサイクル率の向上とその周知、安全性のアピール、エアゾール特有の利点を活かした魅力的な商品開発などが提案されていました。

エアゾール業界では、女性の活躍が進み、製品開発や職場環境にも変化がもたらされています。一方で、環境問題や廃棄の課題、イメージ向上などの課題も残っているのが現状です。これらの解決には、女性視点を活かした製品開発や、多様な働き方の実現、業界全体での連携が重要であることが、この座談会を通じて理解できました。エアゾールの特性を活かした魅力的な商品開発と情報発信により、業界の更なる発展が期待されます。



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