エアゾール製品とは、缶の中に内容物(液体など)と噴射剤(ガス)を入れ、上部のボタンを押すことで中身を霧状に噴射できる製品です。このエアゾール缶の上部に取り付けて使用する4つの外装アクセサリーを紹介します。いずれも低コストでの提供が可能で、同じく低価格での生産が可能な新G型バルブに対応。大量生産を予定していない商品への導入もお勧めです。
TAGトリガー
アクチュエーター
G473 トリプルジェット
ワンタッチキャップ
TW-200/600シリーズ
2WAYキャップ
【TAGトリガーアクチュエーター】の概要・特徴
これまでのトリガーアクチュエーターは工業用のエアゾール製品に取り付けられることが多く、デザイン性よりも機能性を重視した武骨な形状が一般的でした。そこでイメージを一新し「使いやすく優しいカタチ」をコンセプトに設計・開発したのが「TAGトリガーアクチュエーター」です。
従来品との大きな違いは、ユーザーが手で握る部分に“くびれ”をつけたことです。トリガーアクチュエーターを装着するエアゾール製品は、基本的に一定の重量がありサイズも大きいため、握力の弱い、あるいは手の小さな人が片手で持つと負担がかかってしまいます。そのため持つ際の荷重を軽減し、ユーザーの性別や年齢を問わず自然と手にフィットする曲線を持たせたことが本製品最大の特長です。
製品名 | TAGトリガーアクチュエーター |
対象製品 | 殺虫剤、消臭剤、除菌スプレー、エアコンの洗浄剤など |
主な特徴 | 手にフィットする“くびれ”で使用時の荷重を軽減 |
最小ロット | 1,000個から(要相談) |
導入のメリット
実際に「TAGトリガーアクチュエーター」を取り付けたエアゾール製品を店頭に並べると、まず丸みのあるフォルムが消費者の目を引き、多くの消費者が手に取って触れてみたくなるような製品です。
日常生活で使用する様々なエアゾール製品に取り付けることができ、中でもよく採用されるのは殺虫剤や消臭剤、除菌スプレー、エアコンの洗浄剤などです。他にも、トイレタリー製品に用いられることが多いです。
構造は分かりやすく設計されており、4つの主要な部品があります。噴射のためにユーザーが指で押す「トリガーカバー」、押される側の「ボタン」、親指から人差し指にかけて持ち缶を保持する「ボディ」、内用液が出てくる「ノズル」です。また、商品が店頭に並ぶまでの間、誤って噴射されないよう「バージンシール」という保護シールが付いています。購入後、このシールを切り取ることで使用できるようになります。
また、製品の見た目の特徴として、上部と下部でパーツが分かれており、色の組み合わせでバラエティ豊かなパッケージングデザインを可能にします。例えば、ブランドのイメージカラーに合わせたり、商品ラインナップごとに色を変えたりすることで、店頭での商品の魅力を高めることができます。
さらに、環境に配慮した工夫も施されています。エアゾール製品は廃棄にあたり、缶内部に残ったガスを抜く必要があります。「TAGトリガーアクチュエーター」には天面に専用の穴が設けられており、缶から外して先端部分(ステム)を押し当てれば安全かつ簡単にガス抜きができます。もちろん穴から外せば即座に排出が止まるので安心です。こうした「中身排出機構」を備えているのも、消費者にとって重要なポイントとなっています。
当社では多様なトリガーアクチュエーターを用意していますが、いずれもガスの排出まで視野に入れて設計・開発しています。当然ながら従来品にも『中身排出機構』を導入し、ユーザーの安心を支えてきました。この仕組みは業界全体としても積極的に周知しており、私たちもより分かりやすく発信することが大切だと認識しています。
【G473トリプルジェットワンタッチキャップ】の概要・特徴
その名の通り天面を押すだけですぐに使えるシンプルさが「G473トリプルジェットワンタッチキャップ」の特長です。「ローコストでも高付加価値」をコンセプトに部品は1つのみというワンピース設計で、専用の金型で成型すれば完成します。当社のラインナップの中でも最安値で提供できる製品です。
これまでのエアゾール製品の外装アクセサリーはキャップ、ボタン、トリガーなど複数の部品を組み合わせる必要がありました。部品が多いということは、それだけ製造工程も増え、製品単価がどうしても上がっていました。対して「G473トリプルジェットワンタッチキャップ」は、前述の通り部品は1つのみで組み合わせる必要も無く、そのためローコストを実現できています。
製品名 | G473トリプルジェットワンタッチキャップ |
対象製品 | 消臭剤、雑貨など |
主な特徴 | 1部品のみのワンピース構造でローコストを実現、広範囲への「3D噴射」が可能 |
最小ロット | 1,000個から(要相談) |
導入のメリット
製品名の「トリプルジェット」は、3つの異なる方向に噴射できることを表しています。通常のスプレー製品は一方向にしか噴射できませんが、この製品はそれぞれ向きが異なる3つの噴射口を設け、「3D噴射」を可能にしました。従来の製品では、噴射の方向を制御するために「チップ」という追加の部品が必要でした。しかし、このG473トリプルジェットワンタッチキャップは、そうした追加部品を必要とせず、1つの部品で広範囲に内容物を行き渡らせることができます。主な対象製品は消臭剤や雑貨で、やはりワンプッシュで内用液の効果を拡散できることがユーザーにメリットをもたらすでしょう。
また、エアゾール製品では、内用液とガスの組み合わせ次第では、ノズルやチップが無いと適切に噴射できない場合もあります。一方で「G473トリプルジェットワンタッチキャップ」は、ガスを大量に用いるような消臭剤でも一定の勢いで噴射できることが確認できています。さらに本製品も「中身排出機構」を備えているため、安全にガスを抜いてから廃棄できます。
大手メーカーと競合するお客さまが取り扱い数の少ない商品で勝負を挑む場合、この『G473トリプルジェットワンタッチキャップ』が力になるでしょう。ロット数が少なくてもコストを抑えて提供できるため、必ずお役に立てると考えています。
【TW-200/600シリーズ2WAYキャップ】の概要・特徴
「TW-200」および「TW-600」は、どちらも2WAYという製品名が付いているように2パターンの噴射が可能です。通常の噴射はもちろん、付属のチューブを伸ばすことで、狙った場所に正確に噴射することもできます。いずれも当社の海外工場で自動生産ラインを組んでいることから、やはりコストを抑えて提供できます。
先ほども触れたように部品点数が多い製品は、製造、セット、検査などの工程を経るため単価が上がってしまいます。また、国内生産ではコストを削減しようにも限界があります。対して「TW-200」「TW-600」は部品の数を抑え、海外生産&自動組み立てで大幅なローコストを実現したのが特長です。
製品名 | TW-200/600シリーズ2WAYキャップ |
対象製品 | 殺虫剤、工業製品など |
主な特徴 | チューブ着脱により2パターンの噴射が可能(チューブは樹脂製・ステンレス製の2種ご用意) |
最小ロット | 10,000個から(要相談) |
導入のメリット
それぞれ天面の大型ボタンを押すと内用液が出てくる構造で、使い方は2通りあります。まずチューブを折りたたんだ状態ではストレート噴射が可能です。特に「TW-600」は、細かい霧状の噴射を実現する機能を本体に組み込むことで、追加の部品を必要とせず、コストを抑えることに成功しました。
一方、チューブを伸ばせばピンポイントな噴射が可能です。例えば殺虫剤の場合、対象が家具のすき間など狭いスペースに逃げ込んでも的確に内用液をかけることができます。
チューブは、用途に応じてステンレス製と樹脂製の2種類から選べます。ステンレス製のチューブは、曲げた形状をそのまま保持できるため、好みの方向に噴射できます。加えて工場などの多忙な現場ではエアゾール製品を投げて渡すこともあり、ステンレスのチューブだと落としても破損しにくいため重宝されています。対して樹脂のチューブは内用液の成分によって、あるいは柔軟性が求められる場合に採用されています。
また、他社の2wayキャップ製品と大きく異なるのは、本体とチューブをつなぐ部分にはゴム製の部品を使用し、液漏れが生じないよう工夫しています。さらに、内用液の成分でゴムが膨らんでしまう場合は、あえて取り付けないという選択も可能です。
安全面での工夫も施されており、「TW-200」では輸送時などに誤って押されないようボタンの間に「ストッパーロック」を設けています。「TW-600」もスライド式のON・OFF機能を備え、同じく誤噴射を防いでいます。 このように、使いやすさ、耐久性、環境への配慮、安全性など、様々な観点から改良を重ねた製品となっています。
『TW-600』は先行の『TW-200』からデザインを一新し、例えば天面には押しやすさを考慮して滑り止めを付けました。『TW-200』はヨーロッパをはじめとする海外向けの製品で、手の大きい方が各現場で適切に使用できるようイメージして開発しました。デザインも男性を意識し、側面に刻みを付けています。
お客さまに好評で採用が増える一方、欧米の市場では他社の『TW-200』導入製品との差別化を求める声が挙がるようになりました。こうした要望を受けて生まれたのが『TW-600』です。どうぞご参考まで。
利用企業の声
「TAGトリガーアクチュエーター」は「導入することで他社製品との差別化が図れた」という意見を頂くとともに「デザイン性に優れている」と喜ばれています。
「G473トリプルジェットワンタッチキャップ」および「TW-200/600シリーズ2WAYキャップ」では、やはり従来よりもローコストで製品設計できる点が評価されています。
紹介した4点ともに当社の「新G型バルブ(G18)」に対応していて、こちらもコストを抑えた製品であることから「より大きなメリットを得られた」との声も届いています。ケースバイケースですが「全体として約3割のコストカットにつながった」というお客さまもいます。
関連記事:「シェイキング不要の新G型バルブ|低コスト・小ロット・短納期でエアゾール製造に変革を」
導入をお考えの方へ
中小のメーカーで「TAGトリガーアクチュエーター」クラスの製品を新規で開発するには大きな投資が必要です。また、デザインをゼロから考えるのも大きな手間になるでしょう。
一方で本品は汎用できるため、お客さまの製品に合致しつつ、競合製品と重複しないよう設計に臨めるのが大きなメリットです。商品棚には似たような外装のアクチュエーターが並びがちで差別化も難しいと思いますが、本製品でサポートできたらと考えています。
手にした時の快適なフィット感は、営業と設計の両部門で研究を重ねた結果です。手の形の3Dモデルを複数パターン作り、女性社員も交えてヒアリングと微調整を繰り返しました。 従来品では、手の大きい人は缶の中部を持ち、小さい人は上部を持ってトリガーを引きますが、対して本製品は最初から手の位置を決めることで誰でも使いやすくしています。
取り上げた4つの製品は消臭剤、園芸用品、洗浄剤など幅広くご採用いただけます。ユーザーの目を引き、リピートにもつながると期待しています。
ユーザーが手に取りたくなる目新しいデザインや人間工学に基づく使いやすい形状により、毎日の生活に変化をもたらせるよう、今後も率先して提案を続けていきます。
「限られた予算の中で商品をブランディングしたい」「既存品のイメージを変えたい」など、いつでもご相談ください。
エアゾール製品の製造に携わる企業の皆様、製造コストの削減や生産効率の向上をお考えの方々、新製品の開発に挑戦したい方々は、新G型バルブの導入をご検討ください。三谷バルブは、お客様とともに、より良いエアゾール製品の未来をつくっていきます。